ブルズへのリベンジはフロントローが先導する
―遠征で自信を深めたスクラムで大男たちをなぎ倒す
コラム4/5(水) 10:41
2月25日にハリケーンズとの開幕戦を戦った後、4戦続けて海外での試合が続いたヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ。
シンガポール(対キングズ=3月4日)、ブルームフォンテイン(対チーターズ=3月11日)、プレトリア(対ブルズ=3月17日)、再びシンガポール(対ストーマーズ=3月25日)と転戦しながら、いずれも南アフリカの強豪と対戦。
遠征でプレーした半数以上が今季スーパーラグビーデビュー組という若いチーム構成ながら、1年前のアウェイ戦で17-92で大敗したチーターズに対して、後半27分に逆転トライを奪われるなどして惜敗したものの、7点差以内での敗戦に与えられるボーナスポイントを獲得(最終スコアは31-38)。今季無敗のストーマーズに対しても後半20分までリードするなど、若手の成長に大きな手応えをつかんだツアーとなった。
自らHOとして日本のスクラムに対峙したチーターズのHOトルステン・ファンヤースフェルト主将が「(サンウルブズは)昨年よりも圧倒的にいいスクラムを組んでいた。とても低いスクラムだったし、アタックも大きく進歩した」と賞賛したように、遠征4試合で13トライを奪ったサンウルブズのアタックは相手チームにとっては圧倒的な脅威だったし、それは間違いなくスクラムの安定が礎を築いた故にもたらされた成果でもあった。
「自信になった」
チーターズ戦で仲良くSRデビューを飾ることになったPR山路泰生とHO庭井祐輔は、南アフリカ勢と互角以上のスクラムを組んだ遠征の後、そう声を揃えた。
チーターズ戦、ブルズ戦はこの2人に昨季13分間だけSRでプレーしたPR山本幸輝を加えた3人がFW第1列として先発。山本も「やる前は憧れの存在だったスーパーラグビーでプレーしても十分通用することを実感している」と、自信を深めた。
そんなふうに、スーパーラグビーでも自分たちのスクラムは通用する手応えをつかみ、間違いなく凛々しくなって帰国したフロントロー陣だが、8日に今季2試合目の国内でのホームゲームの相手となるブルズに対しては「リベンジしたい」との思いが強い。
もちろん、チーム全体としても14-17で前半を折り返した後、後半1分に相手にレッドカードが出て残り時間を15人対14人で戦えたにもかかわらず、逆に点差を広げられて21-34で敗れただけに悔しさが残る一戦となった。
中でも、後半の全てのスクラムをひとり多い状態で組めたのに、「8人なのに7人で回された」(長谷川慎FWコーチ)のだから、フロントロー陣が悔しい気持ちを強く持ったのも当然だろう。
「相手が落としたり、内に組んだり。それに対してまっすぐ組まなきゃいけないのに、僕から押しに行ってしまった。その結果、ペナルティを取られた。80分間いいスクラム組むという課題に関しては達成できなかった。悔しさしか残っていない」(山路)
「経験不足」
長谷川コーチはひとり少ない相手に対して、完全にスクラムを支配できなかった理由をそう分析。プレトリアで戦った時点では、先発フロントローのキャップ数の合計は7。経験不足は致し方ない面がある。
それでも、「ブルズ戦はストラウスに過剰に反応してしまい、いつもの組み方ではない組み方をしてしまった。それでも、そこを修正してストーマーズ戦ではうまくいった。ミスがひとつもなかった。80分間、ノーミスだったのは初めて」(同コーチ)」と、ブルズ戦の1週間後のストーマーズ戦では課題をすぐに修正し、「低く、それぞれの役割を果たしながら、しっかり8人で組む」スクラムで試合を支配できたのは大きな収穫だった。
ちなみに、ストラウスとは南アフリカ代表キャップ数66を誇り、同主将を務めた経験も持つHOアドリアーン・ストラウス。3週間前のアウェイ戦では、その存在に意識過剰になった面もあり、サンウルブズはいつも通りのスクラムが組めなかった。8日の再戦でもスクラムのキーマンなることは間違いなさそうだが、ブルズよりもスクラムでは手強いと考えられていたストーマーズに対して修正できただけに、リベンジには自信もある。
「強い相手にも組み方は変えず、微調整でやっていきたい。十分いけるなという印象を持っている」(庭井)
ストーマーズ戦でのスクラムの安定を支えたPR伊藤平一郎、そして遠征には参加しなかったがSRでの経験では他のフロントローをリードする同・稲垣啓太など、進化するサンウルブズのスクラムを支えるフロントローの争いも激しい。
激しい競争を勝ち抜いてブルズにリベンジするチャンスをつかむメンバーは、「勝ちにつながらないと意味がない。勝ちにつながるスクラムを組むことを意識して」(山路)、再び南アフリカの大男たちに対峙することになる。
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◆次戦は再び秩父宮で!!ともに戦おう!!
4/8(土)14:15キックオフ@秩父宮ラグビー場・東京
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs ブルズ
チケット発売中★ご購入はおはやめに!!
チーターズ戦でスクラムを組むPR山本、HO庭井
©JSRA photo by K.Demura
チーターズ戦後、3人で写真に収まるフロントロー。左からPR山本、HO庭井、PR山路
©JSRA photo by K.Demura
南ア・シャークスアカデミーの参加経験がある東京合宿に参加している松島幸太朗選手
©JSRA photo by K.Demura
シンガポール(対キングズ=3月4日)、ブルームフォンテイン(対チーターズ=3月11日)、プレトリア(対ブルズ=3月17日)、再びシンガポール(対ストーマーズ=3月25日)と転戦しながら、いずれも南アフリカの強豪と対戦。
遠征でプレーした半数以上が今季スーパーラグビーデビュー組という若いチーム構成ながら、1年前のアウェイ戦で17-92で大敗したチーターズに対して、後半27分に逆転トライを奪われるなどして惜敗したものの、7点差以内での敗戦に与えられるボーナスポイントを獲得(最終スコアは31-38)。今季無敗のストーマーズに対しても後半20分までリードするなど、若手の成長に大きな手応えをつかんだツアーとなった。
自らHOとして日本のスクラムに対峙したチーターズのHOトルステン・ファンヤースフェルト主将が「(サンウルブズは)昨年よりも圧倒的にいいスクラムを組んでいた。とても低いスクラムだったし、アタックも大きく進歩した」と賞賛したように、遠征4試合で13トライを奪ったサンウルブズのアタックは相手チームにとっては圧倒的な脅威だったし、それは間違いなくスクラムの安定が礎を築いた故にもたらされた成果でもあった。
「自信になった」
チーターズ戦で仲良くSRデビューを飾ることになったPR山路泰生とHO庭井祐輔は、南アフリカ勢と互角以上のスクラムを組んだ遠征の後、そう声を揃えた。
チーターズ戦、ブルズ戦はこの2人に昨季13分間だけSRでプレーしたPR山本幸輝を加えた3人がFW第1列として先発。山本も「やる前は憧れの存在だったスーパーラグビーでプレーしても十分通用することを実感している」と、自信を深めた。
そんなふうに、スーパーラグビーでも自分たちのスクラムは通用する手応えをつかみ、間違いなく凛々しくなって帰国したフロントロー陣だが、8日に今季2試合目の国内でのホームゲームの相手となるブルズに対しては「リベンジしたい」との思いが強い。
もちろん、チーム全体としても14-17で前半を折り返した後、後半1分に相手にレッドカードが出て残り時間を15人対14人で戦えたにもかかわらず、逆に点差を広げられて21-34で敗れただけに悔しさが残る一戦となった。
中でも、後半の全てのスクラムをひとり多い状態で組めたのに、「8人なのに7人で回された」(長谷川慎FWコーチ)のだから、フロントロー陣が悔しい気持ちを強く持ったのも当然だろう。
「相手が落としたり、内に組んだり。それに対してまっすぐ組まなきゃいけないのに、僕から押しに行ってしまった。その結果、ペナルティを取られた。80分間いいスクラム組むという課題に関しては達成できなかった。悔しさしか残っていない」(山路)
「経験不足」
長谷川コーチはひとり少ない相手に対して、完全にスクラムを支配できなかった理由をそう分析。プレトリアで戦った時点では、先発フロントローのキャップ数の合計は7。経験不足は致し方ない面がある。
それでも、「ブルズ戦はストラウスに過剰に反応してしまい、いつもの組み方ではない組み方をしてしまった。それでも、そこを修正してストーマーズ戦ではうまくいった。ミスがひとつもなかった。80分間、ノーミスだったのは初めて」(同コーチ)」と、ブルズ戦の1週間後のストーマーズ戦では課題をすぐに修正し、「低く、それぞれの役割を果たしながら、しっかり8人で組む」スクラムで試合を支配できたのは大きな収穫だった。
ちなみに、ストラウスとは南アフリカ代表キャップ数66を誇り、同主将を務めた経験も持つHOアドリアーン・ストラウス。3週間前のアウェイ戦では、その存在に意識過剰になった面もあり、サンウルブズはいつも通りのスクラムが組めなかった。8日の再戦でもスクラムのキーマンなることは間違いなさそうだが、ブルズよりもスクラムでは手強いと考えられていたストーマーズに対して修正できただけに、リベンジには自信もある。
「強い相手にも組み方は変えず、微調整でやっていきたい。十分いけるなという印象を持っている」(庭井)
ストーマーズ戦でのスクラムの安定を支えたPR伊藤平一郎、そして遠征には参加しなかったがSRでの経験では他のフロントローをリードする同・稲垣啓太など、進化するサンウルブズのスクラムを支えるフロントローの争いも激しい。
激しい競争を勝ち抜いてブルズにリベンジするチャンスをつかむメンバーは、「勝ちにつながらないと意味がない。勝ちにつながるスクラムを組むことを意識して」(山路)、再び南アフリカの大男たちに対峙することになる。
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◆次戦は再び秩父宮で!!ともに戦おう!!
4/8(土)14:15キックオフ@秩父宮ラグビー場・東京
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs ブルズ
チケット発売中★ご購入はおはやめに!!
チーターズ戦でスクラムを組むPR山本、HO庭井
©JSRA photo by K.Demura
チーターズ戦後、3人で写真に収まるフロントロー。左からPR山本、HO庭井、PR山路
©JSRA photo by K.Demura
南ア・シャークスアカデミーの参加経験がある東京合宿に参加している松島幸太朗選手
©JSRA photo by K.Demura