SUPER RUGBYスーパーラグビー

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スーパーラグビーとは

SUPER RUGBY

スーパーラグビーに日本のチームが参戦する。10年前、そんな夢のような話をする人は皆無と言って良かった。それほど、スーパーラグビーは日本ラグビーからかけ離れた、高いレベルのリーグだった。世界最強のニュージーランド、その宿命のライバルである南アフリカ、オーストラリアからプロクラブが複数参加。切磋琢磨しながら各国代表選手を育てるリーグなのだから、遠い存在だと思っても無理はなかった。しかし、2013年、田中史朗、堀江翔太が相次いでデビューを飾り、突破口を作る。「日本人でも戦える。通用するのだ」。勇気ある2人の挑戦が日本ラグビーに自信を与え、3年後、日本チーム「サンウルブズ」の参戦が実現した。世界的にも大きく報じられた日本チームの参戦がいかにすごいことなのか。それを理解していただくためにも、スーパーラグビーについて、詳しく説明してみたい。

スーパーラグビーは、現在は18チームによって優勝を争うラグビー界最高峰のプロリーグだ。参加チームは地域代表がプロクラブになるという特殊な形態をとっている。この点は、サッカーの欧州チャンピオンズリーグや、スペインのセリエA、イングランドのプレミアリーグのような単独クラブの戦いとは違う。スーパーラグビーの起源は、1986年から1991年まで開催されていた「サウスパシフィック・チャンピオンシップ」。この選手権は、オーストラリアのニューサウスウェールズ、クインズランドの州代表、ニュージーランドのオークランド、ウェリントン、カンタベリーの州代表とフィジー代表の6チームで開催されていた。1992年から「スーパー6」と呼び名が変わり、次第にチーム数が増えていった。

1995年までのラグビーは、プレーすることによって報酬を得ることが禁じられていた。1995年にプレーに対する報酬が認められると、世界各国でプロリーグが発足。その先陣を切る形で始まったのが「スーパー12」だった。スーパー12は、ニュージーランド5、オーストラリア3、南アフリカ4の計12の州代表に各国の精鋭を集約し、これをプロチームとすることで運営を始めた。たとえば、ニュージーランドであれば、27の州代表からトップ選手を5チームに吸い上げ、この5チームの選手達がスーパー12でプレーし、同国代表のオールブラックスに選出されるというピラミッド型のシステムだ。

つまり、スーパー12で戦っている選手達は参加国の代表選手とその予備軍。しかも、当初の3か国は、長らく世界三強として君臨してきた存在だ。プロとして最高級のプレーを見せると同時に、ラグビーワールドカップの優勝を争う国代表の座を巡る争いでもあり、スーパー12は世界で最も闘争的で激しく、スピーディーなリーグとして人気を博していく。その後、14、15とチーム数が増える段階で、「スーパーラグビー」という呼び名に統一され、2016年にはアルゼンチン(ジャガーズ)と日本(サンウルブズ)も参戦。18チームで運営されることになり、今日に至っている。応援のスタイルも、国代表同士の戦いのような荘厳なものとは一味違い、観客も試合の合間に流れる音楽で踊ったり、歌ったり、大いに楽しむ。プロリーグとしてのエンターテイメント性も人気の要因だ。

強豪国の代表選手を多数含むリーグに、世界ランキングでは、過去最高でも9位の日本代表の選手、予備軍がチームを編成して参加する。日本ラグビーにとって冒険的な挑戦は、日本代表強化の切り札でもある。過去の最多優勝7回を誇るのは、ニュージーランドのクルセイダーズ。現在、日本のパナソニックワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督が率いていたチームだ。昨年はニュージーランドのハリケーンズが頂点に立った。果たして、今季はどのチームが頂点に立つのか。サンウルブズの選手達の成長を見守りつつ、観客の皆さんも世界トップレベルのラグビーを堪能してもらいたい。

Text by 村上晃一