マッチレビュー 2018 ROUND 15 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs.レベルズ text by 村上晃一
コラム5/26(土) 18:20
香港で史上初の2連勝を決めたヒト・コミュニケーションズ サンウルブズは、オーストラリアに渡り、5月25日、メルボルンでレベルズと対戦した。レベルズとは今季2度目の対戦。第3節では秩父宮ラグビー場で17-37と敗れている。今回は6月の日本代表戦の準備のため、リーチ マイケル、堀江翔太、田中史朗、ラファエレ ティモシー、福岡堅樹、松島幸太朗ら中心選手が離脱。レベルズとの対戦は、PRクレイグ・ミラーがキャプテンを務め、LO真壁伸弥、FL布巻峻介が今季初先発するなど、この春の試合数の少ない選手が多く出場し、本来はLOのグラント・ハッティングがFLで先発するなど大幅にメンバーを変更しての戦いとなった。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチも日本代表の準備に専念するため、この試合ではアシスタントコーチのトニー・ブラウンがヘッドコーチ代行を務めた。
現地時間の午後7時45分(日本時間午後6時45分)、サンウルブズのSOヘイデン・パーカーのキックオフで試合は始まった。先制したのはサンウルブズだった。前半3分、ラインアウトからの連続アタックでWTBレメキ ロマノ ラヴァが右中間にトライ。パーカーがゴールを決めて、7-0とリードする。しかし、直後のキックオフからの攻防では、サンウルブズの組織ディフェンスがほころびる。ライン全体で押し上げるディフェンスにギャップができ、レベルズに突破を許すと、決定力あるWTBマリカ・コロイベッテにインゴールに走り込まれた。組織ディフェンスの真ん中を破られるのは、ここ数試合なかったことで、メンバーとポジション変更の影響を感じるシーンだった。
その後、何度も相手陣深く攻め込んだサンウルブズだが、レベルズのディフェンスのプレッシャーにミスを犯し、ラインアウトのモールを押し込んだ際にもターンオーバーを許した。17分、レベルズのSHマイケル・ルルにラックサイドを突かれ、WTBジャック・マドックスにトライを奪われてしまう。20分には布巻が相手ボールを奪ったかに見えたが、タックルで倒した相手からクリアに手を離さなかったという反則をとられ、そのPKからのタッチキックで自陣深く入られてしまう。一連のラインアウトからNO8アマナキ・レレィ・マフィにトライされ、7-21と突き放された。その後、何度も攻撃機会を得ながら、連勝中は起こらなかったミスが連続する。なんとかディフェンスで粘ってパーカーが2PGを加え、前半は13-21で折り返した。
8点差は十分に挽回できる差なのだが、後半8分、マドックスに右タッチライン際を破られてトライを許し、13-28とされてしまう。この失点は今季序盤によく見られたパターンで一番外側にいる選手が我慢できずにタックルに飛び込んでスペースを作ってしまうものだった。内側にいる選手との連携を欠く失点である。12分、サンウルブズのWTBホセア・サウマキが左タッチライン際を快走し、ゴールラインまであと5mに迫ったがタッチに押し出される。その後も攻め込むが、サインプレーのミスなどで攻めきれず、後半23分には、サウマキがトライを防ぐタックルをした際、倒れたまま相手のパスを妨げたとしてシンビン(10分間の一時退場)となり、14人で戦った時間帯に2トライを追加され、突き放されたままノーサイドとなった。
スタッツ(統計数値)で見ると、ラインアウトは、88.2%の獲得率、スクラムは100%で悪い数字ではないが、プレッシャーを受け、苦しいボール確保が多かった。それ以外の局面では、12度もターンオーバーを許している。前節のストーマーズ戦の倍の数字だ。無理なパスをせずにボール確保を心掛けたレッズ戦、ストーマーズ戦とは明らかに違っていた。メンバー変更だけが理由ではなく、連勝でやや気のゆるみが出た面があったのかもしれない。
トニー・ブラウンヘッドコーチ代行は、サンウルブズは日本ラグビーの強化を目的としたチームであり、日本代表戦前にメンバー変更が必要になることは分かっていたことだと説明した上で、次のようにコメントした。「そのために計画を立て、試合に向けた準備もよく整っていましたが、このような結果になってしまったことは、今夜のレベルズのパフォーマンスが本当に素晴らしいものだったということです。来週のブランビーズ戦では、またメンバーに変更が生じると思いますが、今日の試合の反省点をしっかりレビューし準備していきたいと思います」。
日本代表戦に向けては、立川理道が怪我から復帰して力強いプレーを見せるなど前向きな材料も多かった。日本代表戦をはさむこの時期は、サンウルブズにとって難しい戦いになるが、次週の試合(6月3日、対ブランビーズ)でいったんスーパーラグビーは休止期間となる(6月30日、対ブルズで再開)。次戦は日本代表資格のない選手を軸にしたメンバーになりそうだが、「我々はいいゲームプラン持っていますから、勢いさえ失わずにそれを遂行できれば結果に結びつくと思います」というレメキ ロマノ ラヴァの言葉通り、プランを丁寧に遂行することで今季3勝目をもぎ取ってもらいたい。
現地時間の午後7時45分(日本時間午後6時45分)、サンウルブズのSOヘイデン・パーカーのキックオフで試合は始まった。先制したのはサンウルブズだった。前半3分、ラインアウトからの連続アタックでWTBレメキ ロマノ ラヴァが右中間にトライ。パーカーがゴールを決めて、7-0とリードする。しかし、直後のキックオフからの攻防では、サンウルブズの組織ディフェンスがほころびる。ライン全体で押し上げるディフェンスにギャップができ、レベルズに突破を許すと、決定力あるWTBマリカ・コロイベッテにインゴールに走り込まれた。組織ディフェンスの真ん中を破られるのは、ここ数試合なかったことで、メンバーとポジション変更の影響を感じるシーンだった。
その後、何度も相手陣深く攻め込んだサンウルブズだが、レベルズのディフェンスのプレッシャーにミスを犯し、ラインアウトのモールを押し込んだ際にもターンオーバーを許した。17分、レベルズのSHマイケル・ルルにラックサイドを突かれ、WTBジャック・マドックスにトライを奪われてしまう。20分には布巻が相手ボールを奪ったかに見えたが、タックルで倒した相手からクリアに手を離さなかったという反則をとられ、そのPKからのタッチキックで自陣深く入られてしまう。一連のラインアウトからNO8アマナキ・レレィ・マフィにトライされ、7-21と突き放された。その後、何度も攻撃機会を得ながら、連勝中は起こらなかったミスが連続する。なんとかディフェンスで粘ってパーカーが2PGを加え、前半は13-21で折り返した。
8点差は十分に挽回できる差なのだが、後半8分、マドックスに右タッチライン際を破られてトライを許し、13-28とされてしまう。この失点は今季序盤によく見られたパターンで一番外側にいる選手が我慢できずにタックルに飛び込んでスペースを作ってしまうものだった。内側にいる選手との連携を欠く失点である。12分、サンウルブズのWTBホセア・サウマキが左タッチライン際を快走し、ゴールラインまであと5mに迫ったがタッチに押し出される。その後も攻め込むが、サインプレーのミスなどで攻めきれず、後半23分には、サウマキがトライを防ぐタックルをした際、倒れたまま相手のパスを妨げたとしてシンビン(10分間の一時退場)となり、14人で戦った時間帯に2トライを追加され、突き放されたままノーサイドとなった。
スタッツ(統計数値)で見ると、ラインアウトは、88.2%の獲得率、スクラムは100%で悪い数字ではないが、プレッシャーを受け、苦しいボール確保が多かった。それ以外の局面では、12度もターンオーバーを許している。前節のストーマーズ戦の倍の数字だ。無理なパスをせずにボール確保を心掛けたレッズ戦、ストーマーズ戦とは明らかに違っていた。メンバー変更だけが理由ではなく、連勝でやや気のゆるみが出た面があったのかもしれない。
トニー・ブラウンヘッドコーチ代行は、サンウルブズは日本ラグビーの強化を目的としたチームであり、日本代表戦前にメンバー変更が必要になることは分かっていたことだと説明した上で、次のようにコメントした。「そのために計画を立て、試合に向けた準備もよく整っていましたが、このような結果になってしまったことは、今夜のレベルズのパフォーマンスが本当に素晴らしいものだったということです。来週のブランビーズ戦では、またメンバーに変更が生じると思いますが、今日の試合の反省点をしっかりレビューし準備していきたいと思います」。
日本代表戦に向けては、立川理道が怪我から復帰して力強いプレーを見せるなど前向きな材料も多かった。日本代表戦をはさむこの時期は、サンウルブズにとって難しい戦いになるが、次週の試合(6月3日、対ブランビーズ)でいったんスーパーラグビーは休止期間となる(6月30日、対ブルズで再開)。次戦は日本代表資格のない選手を軸にしたメンバーになりそうだが、「我々はいいゲームプラン持っていますから、勢いさえ失わずにそれを遂行できれば結果に結びつくと思います」というレメキ ロマノ ラヴァの言葉通り、プランを丁寧に遂行することで今季3勝目をもぎ取ってもらいたい。