マッチレビュー 2018 ROUND2 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs. ブランビーズ
コラム2/26(月) 16:55
スーパーラグビー2018は2月17日開幕。ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの初戦は、2月24日、秩父宮ラグビー場で行われた。相手は昨年のオーストラリアカンファンス1位のブランビーズ。優勝2回、準優勝4回の強豪だ。安定したスクラム、ラインアウトから準備した攻撃を仕掛けてくるブランビーズに対し、ディフェンスでプレッシャーをかけ続け、スピーディーな攻撃でトライを奪うことができるのか。トップ5入りを目指すサンウルブズにとっては、開幕ダッシュのために是が非でも勝ちたい試合だった。
サンウルブズのキックオフで試合は始まった。立ち上がりはコンタクト局面でややブランビーズが勝り、サンウルブズが食い込まれているように見えた。前半5分、ブランビーズがSOクリスチャン・リアリイファノのPGで先制。しかし、サンウルブズもSH流大を軸にテンポよくボールを動かして反撃し、相手陣深くに攻め入って反則を誘い、ブランビーズのゴール前5mでラインアウトを得る。前半8分のことだった。NO8ヴィリー・ブリッツがボールをキャッチすると、がっちりとモールを組む。じわりと前進し始めたところで、WTBホセア・サウマキ、SOロビー・ロビンソンらBK陣も参加、一気に逆転トライを奪う。スタンドは歓喜に沸いた。
その後もサンウルブズは右に左にワイドにボールを動かしたかと思えば、HO堀江翔太、ブリッツらがSH流大のフラットなパスに走り込み、ブランビーズを防戦一方に追い込む。前半18分には、CTBラファエレ ティモシーがトライ。28分にもラファエレがディフェンスを突破、WTBサウマキが左コーナーに飛び込み、19-8とリードを広げる。観客席ではサンウルブズの赤いタオルがぐるぐると回った。しかし、この日のサンウルブズは、自陣から地域を進めるキックが上手くいかない。前半33分には、短いタッチキックからカウンターアタックを受け、最後はブランビーズCTBカイル・ゴッドウィンにトライされ、前半を19-15と4点差のリードで折り返すことになった。
「スクラムは相手より低くなれた」(PR稲垣啓太)という言葉通りスクラムは安定していたが、ラインアウトは、201㎝の長身LOグラント・ハッティングが前半22分に負傷退場し、2m超の長身選手が複数いるブランビーズに対して、ボールを確保するのがやっとになる。後半開始早々のミスも痛かった。キックオフのボールを確保できず攻め込まれると、いったんはFLピーター・ラブスカフニがターンオーバーに成功したが、SH流のパスがゴールポストに当たってトライを許してしまう。スコアは、19-22。ブランビーズはその後もブレイクダン(ボール争奪局面)に激しく圧力をかけ、サンウルブズはスピーディーなアタックを封じられる。それでもなんとか攻め込み、ラインアウトからモールを押し込もうとしたが何度も跳ね返された。32-22で迎えた後半29分、モールでインゴールに入ったが、グラウンディングが認められず万事休す。終了間際に交代出場のSOヘイデン・パーカーがPGを決め、32-25。7点差以内の負けに与えられるボーナス点「1」を獲得してノーサイドとなった。
「サンウルブズはファンタスティックなパフォーマンスだった。勝てて良かった」。ブランビーズのキャプテンを務めたSOクリスチャン・リアリイファノはサンウルブズを称えつつ、「後半はディフェンスで対応できた」とコメント。ダン・マッケラーヘッドコーチは、「サンウルブズは2回フェイズを重ねるとボールがFWに戻る。それが分かったので対応できた」と話した。
その言葉はスタッツ(試合の統計数値)にも現れた。前半は上回っていたゲインメーター(ボールを持って進んだ距離)が後半は逆転され、最終的にはサンウルブズ331m、ブランビーズ425m。この試合に限って言えば対応力の差を見せつけられたことになる。「勝利を目指していたので悔しいです」と流キャプテン。「前半は意図した形でトライがとれたのですが、僕のミスでリードを許し、それが負けに直結しました。キャプテンとして責任を感じています。しかし、こうしたプレッシャーを感じることが自分にとって収穫だったと思っています。どこからでも攻めようというマインドは良かったのですが、自陣からうまく脱出できなかったのは課題です」。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはこう話した。「満足できる内容ではありませんが、このレベルの強豪相手に戦っていける手ごたえをつかむことができました」。
第2節を終了し、スーパーラグビーの公式サイトで第2節の「チーム・オブ・ザ・ウィーク」(TEAM OF THE WEEK)の発表があった。喜ばしいことに、サンウルブズからこれまで最多の4名が選出されていた。FL姫野和樹、ピーター・ラブスガフニ、CTBラファエレ ティモシー、WTBホセア・サウマキだ。「めちゃ緊張しました。でも、フィジカル的なところはけこう戦えたと思います」と話した姫野は16回のタックルをミスなく決めた。ラブスカフニは、22回のタックルをノーミスで決めた上に、10回のボールキャリー、オフロードパス1回、3度のターンオーバーを勝ち取る出色の活躍。ラファエレは、BKで最高の17回のタックルを決め、2度、ディフェンスラインをクリーンに破った。攻撃面で大活躍だったWTBホセア・サウマキにいたっては、BK最高の16キャリー、111mのゲイン、5回のクリーンブレイク、7人のディフェンダーをかわしの2トライと驚異的な数字をたたき出した。それでも「もっとブレイクし、もっとトライが取りたい」とどん欲だ。
サンウルブズの選手の多くが「悔しいけど、手ごたえがあった。もっとやれる」と語った言葉を数字も裏付けたわけだ。次戦のレベルズ相手には手ごたえではなく、結果がほしい。
サンウルブズのキックオフで試合は始まった。立ち上がりはコンタクト局面でややブランビーズが勝り、サンウルブズが食い込まれているように見えた。前半5分、ブランビーズがSOクリスチャン・リアリイファノのPGで先制。しかし、サンウルブズもSH流大を軸にテンポよくボールを動かして反撃し、相手陣深くに攻め入って反則を誘い、ブランビーズのゴール前5mでラインアウトを得る。前半8分のことだった。NO8ヴィリー・ブリッツがボールをキャッチすると、がっちりとモールを組む。じわりと前進し始めたところで、WTBホセア・サウマキ、SOロビー・ロビンソンらBK陣も参加、一気に逆転トライを奪う。スタンドは歓喜に沸いた。
その後もサンウルブズは右に左にワイドにボールを動かしたかと思えば、HO堀江翔太、ブリッツらがSH流大のフラットなパスに走り込み、ブランビーズを防戦一方に追い込む。前半18分には、CTBラファエレ ティモシーがトライ。28分にもラファエレがディフェンスを突破、WTBサウマキが左コーナーに飛び込み、19-8とリードを広げる。観客席ではサンウルブズの赤いタオルがぐるぐると回った。しかし、この日のサンウルブズは、自陣から地域を進めるキックが上手くいかない。前半33分には、短いタッチキックからカウンターアタックを受け、最後はブランビーズCTBカイル・ゴッドウィンにトライされ、前半を19-15と4点差のリードで折り返すことになった。
「スクラムは相手より低くなれた」(PR稲垣啓太)という言葉通りスクラムは安定していたが、ラインアウトは、201㎝の長身LOグラント・ハッティングが前半22分に負傷退場し、2m超の長身選手が複数いるブランビーズに対して、ボールを確保するのがやっとになる。後半開始早々のミスも痛かった。キックオフのボールを確保できず攻め込まれると、いったんはFLピーター・ラブスカフニがターンオーバーに成功したが、SH流のパスがゴールポストに当たってトライを許してしまう。スコアは、19-22。ブランビーズはその後もブレイクダン(ボール争奪局面)に激しく圧力をかけ、サンウルブズはスピーディーなアタックを封じられる。それでもなんとか攻め込み、ラインアウトからモールを押し込もうとしたが何度も跳ね返された。32-22で迎えた後半29分、モールでインゴールに入ったが、グラウンディングが認められず万事休す。終了間際に交代出場のSOヘイデン・パーカーがPGを決め、32-25。7点差以内の負けに与えられるボーナス点「1」を獲得してノーサイドとなった。
「サンウルブズはファンタスティックなパフォーマンスだった。勝てて良かった」。ブランビーズのキャプテンを務めたSOクリスチャン・リアリイファノはサンウルブズを称えつつ、「後半はディフェンスで対応できた」とコメント。ダン・マッケラーヘッドコーチは、「サンウルブズは2回フェイズを重ねるとボールがFWに戻る。それが分かったので対応できた」と話した。
その言葉はスタッツ(試合の統計数値)にも現れた。前半は上回っていたゲインメーター(ボールを持って進んだ距離)が後半は逆転され、最終的にはサンウルブズ331m、ブランビーズ425m。この試合に限って言えば対応力の差を見せつけられたことになる。「勝利を目指していたので悔しいです」と流キャプテン。「前半は意図した形でトライがとれたのですが、僕のミスでリードを許し、それが負けに直結しました。キャプテンとして責任を感じています。しかし、こうしたプレッシャーを感じることが自分にとって収穫だったと思っています。どこからでも攻めようというマインドは良かったのですが、自陣からうまく脱出できなかったのは課題です」。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはこう話した。「満足できる内容ではありませんが、このレベルの強豪相手に戦っていける手ごたえをつかむことができました」。
第2節を終了し、スーパーラグビーの公式サイトで第2節の「チーム・オブ・ザ・ウィーク」(TEAM OF THE WEEK)の発表があった。喜ばしいことに、サンウルブズからこれまで最多の4名が選出されていた。FL姫野和樹、ピーター・ラブスガフニ、CTBラファエレ ティモシー、WTBホセア・サウマキだ。「めちゃ緊張しました。でも、フィジカル的なところはけこう戦えたと思います」と話した姫野は16回のタックルをミスなく決めた。ラブスカフニは、22回のタックルをノーミスで決めた上に、10回のボールキャリー、オフロードパス1回、3度のターンオーバーを勝ち取る出色の活躍。ラファエレは、BKで最高の17回のタックルを決め、2度、ディフェンスラインをクリーンに破った。攻撃面で大活躍だったWTBホセア・サウマキにいたっては、BK最高の16キャリー、111mのゲイン、5回のクリーンブレイク、7人のディフェンダーをかわしの2トライと驚異的な数字をたたき出した。それでも「もっとブレイクし、もっとトライが取りたい」とどん欲だ。
サンウルブズの選手の多くが「悔しいけど、手ごたえがあった。もっとやれる」と語った言葉を数字も裏付けたわけだ。次戦のレベルズ相手には手ごたえではなく、結果がほしい。