マッチレビュー 2018 ROUND3 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs.レベルズ
コラム3/4(日) 16:40
三菱地所スーパーラグビー2018ラウンド3、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの第2戦は、3月3日(土)、秩父宮ラグビー場で行われた。相手は昨年のオーストラリアカンファレンス5位(1勝1分13敗)のレベルズ。初戦のブランビーズには敗れたものの、7点差以内の負けに与えられるボーナス点を獲得し、今季初勝利を狙っての戦いだった。
午後1時15分、サンウルブズSOヘイデン・パーカーのキックオフで試合は始まった。まずはサンウルブズがハーフウェイライン付近のラインアウトからモールを押し込み、相手の反則を誘う上々の滑り出し。このPKからのタッチキックで相手ゴールラインまで十数メートルの地点でラインアウトを得る。しかし、ここでボールを確保できずにチャンスを逸し、次のラインアウトでボールを失うと流れが悪くなる。キックの応酬でも、レベルズの長身BKに見事なキャッチングから切り返され、地域を進めることができない。
前半9分には、サンウルブズのキックをキャッチしたレベルズのカウンターアタックから、WTBジャック・マドックスにトライを奪われてしまう。CTB中村亮土の好タックルがあったが、レベルズは慌てずにボールを確保。防御の薄いスペースに正確で長いロングパスを送ってマドックスを走らせた。続く12分にもNO8アマナキ レレィ マフィにトライを奪われたが、中村のPGとWTBウィリアム・トゥポウのインターセプトからの50m独走トライでなんとか10-10の同点で前半を折り返した。
よくぞ同点に持ち込んだというのが多くの人の感想かもしれない。前半9分、CTBラファエレ ティモシーが脳震とうの疑いで退場して以降、14分、SOヘイデン・パーカー、20分、WTB山田章仁が相次いで負傷退場。BKの選手が3人退場したことで、本来はFW第三列の徳永祥尭がWTBに入る緊急事態となる。このほか交代出場の立川理道がSOに、野口竜司がWTBに入る。立川も準備期間はCTBで練習しており、組織ディフェンスが難しくなった。
それが顕著に現れたのが後半5分、レベルズのスクラムからWTBセファナイア・ナイヴァルに奪われたトライだった。グラウンド中央のスクラムからレベルズは左サイドにSHウィル・ゲニアが立ち、NO8マフィからパスをもらって攻めてきた。このとき、サンウルブズのSH流大は逆サイドのディフェンスに立ち、ゲニアの前には立川が立っていた。おそらく練習してきた通りの立ち方だろう。しかし、マフィがボールを持ち出したことで立川はマフィに引き付けられ、ゲニアをフリーにしてしまう。立川の外側に立っていたトゥポウと徳永は出遅れ、2人で相手4人を止めなければいけなくなってしまう。どの選手の動きにも迷いが見えた。サンウルブズのディフェンスの約束事が頭に入った専門職のSO、CTBであれば止められただろう。
直後の8分、今度はサンウルブズ陣内左中間のスクラムからのサインプレーで簡単にトライを奪われる。こちらも、スクラムの右サイドにゲニアが開いて、マフィからパスを受けたもの。ブラインドサイドのWTB、CTBをおとりで走らせるサインプレーだったが、この動きに、ディフェンスラインに立っていた徳永、立川、中村が引き付けられ、3人が一塊になってしまう。これもコミュニケーションのミスと言えるだろう。12分にもトライを許し、10-30と引き離される。
攻撃面に関してはSO立川理道を軸にパスでボールを動かし、チャンスを作ったが、追加のトライを奪うことができたのは後半38分。レベルズのゴール前のスクラムからSH田中史朗がパスを内側に返し、NO8エドワード・カークがインゴールに飛び込んだものだ。これで17-30として、前節同様の7点差以内の負けに与えられるボーナス点を狙ったが、最後は逆にペナルティートライ(トライにつながるパスを叩き落としたという判定)を奪われノーサイドとなった。
「自分にも仲間のプレーにも満足しています」とレベルズのLOアダム・コールマン。昨年までプレーしていたフォースから10名の仲間と共にレベルズに移籍し、チーム力を引き上げる原動力となっているキャプテンは、満足げな表情を見せた。ブレイクダウン(ボ―ル争奪局面)で圧力をかけ、正確なキックと的確な判断で地域を進め、安定したセットプレーからの攻撃で得点。連勝スタートですでに昨年の勝ち星を超えた。このチームは今後、オーストラリアカンファレンスの上位をうかがう存在になりそうだ。
一方、流大キャプテンは次のようにコメント。「後半の最初に簡単なトライをとられました。スクラムからのディフェンスは不慣れな選手もいて、いつもと違うプレーをしていました」。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「セットプレーのミスが多かったのは残念です。ミスが起きたときに、落ち着いて勢いを取り戻すこともできなかった」と語った。緊急事態に選手たちがややパニックになった感があり、初戦に続いて対応力に課題が出たが、ラインアウトは早急な修正が求められる。
初戦に続いて負傷者が相次ぐ中、安定したプレーを見せたのがFLピーター・ラブスカフニだ。ブランビーズ戦で22タックル、今回も15タックルで、計37タックルは、スーパーラグビー全体で3節までの2位につけている。「きょうのゲームは良くなかった。でも目標の5位以上はあきらめていません。スーパーラグビーは長くタフなコンペティションです。常に前向きに何をしなければいけないか、考えなくてはいけないのです」。
サンウルブズは、3月4日、南アフリカ共和国へ旅立った。3月10日には、ダーバンでシャークスと、18日には、昨年準優勝のライオンズとヨハネスブルグで戦う。
午後1時15分、サンウルブズSOヘイデン・パーカーのキックオフで試合は始まった。まずはサンウルブズがハーフウェイライン付近のラインアウトからモールを押し込み、相手の反則を誘う上々の滑り出し。このPKからのタッチキックで相手ゴールラインまで十数メートルの地点でラインアウトを得る。しかし、ここでボールを確保できずにチャンスを逸し、次のラインアウトでボールを失うと流れが悪くなる。キックの応酬でも、レベルズの長身BKに見事なキャッチングから切り返され、地域を進めることができない。
前半9分には、サンウルブズのキックをキャッチしたレベルズのカウンターアタックから、WTBジャック・マドックスにトライを奪われてしまう。CTB中村亮土の好タックルがあったが、レベルズは慌てずにボールを確保。防御の薄いスペースに正確で長いロングパスを送ってマドックスを走らせた。続く12分にもNO8アマナキ レレィ マフィにトライを奪われたが、中村のPGとWTBウィリアム・トゥポウのインターセプトからの50m独走トライでなんとか10-10の同点で前半を折り返した。
よくぞ同点に持ち込んだというのが多くの人の感想かもしれない。前半9分、CTBラファエレ ティモシーが脳震とうの疑いで退場して以降、14分、SOヘイデン・パーカー、20分、WTB山田章仁が相次いで負傷退場。BKの選手が3人退場したことで、本来はFW第三列の徳永祥尭がWTBに入る緊急事態となる。このほか交代出場の立川理道がSOに、野口竜司がWTBに入る。立川も準備期間はCTBで練習しており、組織ディフェンスが難しくなった。
それが顕著に現れたのが後半5分、レベルズのスクラムからWTBセファナイア・ナイヴァルに奪われたトライだった。グラウンド中央のスクラムからレベルズは左サイドにSHウィル・ゲニアが立ち、NO8マフィからパスをもらって攻めてきた。このとき、サンウルブズのSH流大は逆サイドのディフェンスに立ち、ゲニアの前には立川が立っていた。おそらく練習してきた通りの立ち方だろう。しかし、マフィがボールを持ち出したことで立川はマフィに引き付けられ、ゲニアをフリーにしてしまう。立川の外側に立っていたトゥポウと徳永は出遅れ、2人で相手4人を止めなければいけなくなってしまう。どの選手の動きにも迷いが見えた。サンウルブズのディフェンスの約束事が頭に入った専門職のSO、CTBであれば止められただろう。
直後の8分、今度はサンウルブズ陣内左中間のスクラムからのサインプレーで簡単にトライを奪われる。こちらも、スクラムの右サイドにゲニアが開いて、マフィからパスを受けたもの。ブラインドサイドのWTB、CTBをおとりで走らせるサインプレーだったが、この動きに、ディフェンスラインに立っていた徳永、立川、中村が引き付けられ、3人が一塊になってしまう。これもコミュニケーションのミスと言えるだろう。12分にもトライを許し、10-30と引き離される。
攻撃面に関してはSO立川理道を軸にパスでボールを動かし、チャンスを作ったが、追加のトライを奪うことができたのは後半38分。レベルズのゴール前のスクラムからSH田中史朗がパスを内側に返し、NO8エドワード・カークがインゴールに飛び込んだものだ。これで17-30として、前節同様の7点差以内の負けに与えられるボーナス点を狙ったが、最後は逆にペナルティートライ(トライにつながるパスを叩き落としたという判定)を奪われノーサイドとなった。
「自分にも仲間のプレーにも満足しています」とレベルズのLOアダム・コールマン。昨年までプレーしていたフォースから10名の仲間と共にレベルズに移籍し、チーム力を引き上げる原動力となっているキャプテンは、満足げな表情を見せた。ブレイクダウン(ボ―ル争奪局面)で圧力をかけ、正確なキックと的確な判断で地域を進め、安定したセットプレーからの攻撃で得点。連勝スタートですでに昨年の勝ち星を超えた。このチームは今後、オーストラリアカンファレンスの上位をうかがう存在になりそうだ。
一方、流大キャプテンは次のようにコメント。「後半の最初に簡単なトライをとられました。スクラムからのディフェンスは不慣れな選手もいて、いつもと違うプレーをしていました」。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「セットプレーのミスが多かったのは残念です。ミスが起きたときに、落ち着いて勢いを取り戻すこともできなかった」と語った。緊急事態に選手たちがややパニックになった感があり、初戦に続いて対応力に課題が出たが、ラインアウトは早急な修正が求められる。
初戦に続いて負傷者が相次ぐ中、安定したプレーを見せたのがFLピーター・ラブスカフニだ。ブランビーズ戦で22タックル、今回も15タックルで、計37タックルは、スーパーラグビー全体で3節までの2位につけている。「きょうのゲームは良くなかった。でも目標の5位以上はあきらめていません。スーパーラグビーは長くタフなコンペティションです。常に前向きに何をしなければいけないか、考えなくてはいけないのです」。
サンウルブズは、3月4日、南アフリカ共和国へ旅立った。3月10日には、ダーバンでシャークスと、18日には、昨年準優勝のライオンズとヨハネスブルグで戦う。