2018 新生 ヒトコム サンウルブズ 覚悟の船出
コラム10/3(火) 15:17
10月2日(月)、辰巳の森海浜公園ラグビー場のミーティングルームにて、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの新ヘッドコーチ(HC)に就任することになったジェイミー・ジョセフ氏の記者会見が行われた。同日は、日本代表の育成プログラムである「ナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)」のトレーニングが行われており、ジョセフ氏の日本代表、サンウルブズのHC兼務の始まりでもあった。
会見冒頭、一般社団法人ジャパンエスアールの渡瀬裕司CEOは、昨年より日本代表HCを務めるジョセフ氏がサンウルブズのHCを兼務することに至った理由を説明した。
「2017年をレビューし、スーパーラグビーを統括するSANZARから、さらに競争力を高めてほしいという要望もあり、どうすればサンウルブズはもっと強くなれるか、そして、もともとサンウルブズができた経緯である日本代表強化を考えたとき、ベストなソリューションを導き出したということです」
日本代表とサンウルブズを両方率いるという大役を引き受けた新HCは、次のように語った。
「まずは、前HCのフィロ・ティアティアに感謝したいと思います。
そして、私は今、再びスーパーラグビーの舞台に戻ってこられたことに興奮しています。日本に来る前までの15年間、私はニュージーランドでコーチをしていました。スーパーラグビーでは100ゲーム以上、7シーズンにわたってチームを率いました。次はスーパーラグビー8シーズン目になります。
昨シーズンから学んだことは、日本の選手へのサポートの必要性です。リコンディショニング、フィジカルの準備、(国際舞台の)経験値の高い選手から学ぶことなどです。サンウルブズのメンバーは、日本代表選手がベースになりますが、それ以外の代表資格のない選手も選んでいくことになるでしょう」
日本代表の強化のため、サンウルブズで選手のレベルを上げて行くことは大切だが、同時にサンウルブズはプロのチームである。過去2シーズンで3勝にとどまる状況では、スーパーラグビーでの存在価値が薄れる。「強化」と「勝利」を同時に追うためには、選手個々の能力、チーム力を引き上げてくれる経験豊富な選手を加え、スーパーラグビーで優勝を狙うチームを作り上げなくてはいけない。その選手たちは現在選出中であり、この会見では明らかにされなかったが、渡瀬CEOは「10名以上」という希望を述べた。
会見では、2018年シーズンのメンバー入りが決まった5選手も発表された。稲垣啓太、エドワード・カーク、立川理道、田村優、山田章仁である。4人は3シーズン連続、山田は2シーズンぶりの復帰となる。
2017年はカークと共同キャプテンを務めた立川理道は、「スーパーラグビー参戦3年目になりますが、過去2年で積み上げてきたものをしっかり結果として出したいと思います。1年目はマーク・ハメットHC、2年目はフィロ・ティアティアHCが残してくれたものを結果にし、ファンの皆さん、これまでのHCに恩返ししたいと思っています」
報道陣からは、タフな生活が予想される兼務を引き受けた理由、経緯について、さまざまな質問が出た。
ジョセフHCは「自分の責任」と答え、2019年のラグビーワールドカップに向かって日本代表を短期間に強化するためにも、自らサンウルブズを率いるのがベストだと話した。
「選手たちもトップリーグ、サンウルブズ、日本代表でプレーしている。私もそこに参加することが必要だと思いました。多忙を極めると思いますが、最高を求めるためにはハードワークは付きものです。私は素朴な家庭で育ちました。その私がこの大役を務めることができる。光栄ですし、わくわくしています」
ジョセフHCは、強化について「コーチングの一貫性が必要で、特効薬はない」と話し、チームカルチャーを作り、ゲームプランの落とし込みに取り組むと説明した。コーチングスタッフは、サンウルブズと日本代表で両方に関わるコーチが多くなるが、どちらか一方しか関わらないコーチもいる。選手選考では、日本代表候補選手、海外の代表チーム、スーパーラグビー経験者に加え、日本でプレーしているが、3年居住の資格を満たしていない選手も将来を見据えて加わる見込みだ。したがって、ゲームプランは日本代表と似通ったものになりつつ、どの選手がメンバーに入るかによって、違う部分も出てくる。
兼務については、ジョセフHCが日本代表HCに就任した昨シーズンから案は出ていたが、日本代表になったばかりの時期にスーパーラグビーも戦うのは負担が大きすぎるという判断だったという。
スーパーラグビーは移動が多く、それだけでも肉体的にタフな仕事だ。それでもジョセフHCは決心した。「私は、勝ちたいのです」。会見に同席した、立川理道、田村優、山田章仁も、来季の目標を問われて「勝ちたい」と述べた。参戦3年目となる2018シーズン、サンウルブズはどんな戦いを繰り広げ、ファンを楽しませてくれるのか。目標とする具体的な数字は明言されなかったが、コーチ、選手にこれまで以上の「覚悟」があることは間違いない。
photo ©JSRA
◆ジェイミー・ジョセフHC プロフィール
◆2018シーズンスコッド(5選手)
会見冒頭、一般社団法人ジャパンエスアールの渡瀬裕司CEOは、昨年より日本代表HCを務めるジョセフ氏がサンウルブズのHCを兼務することに至った理由を説明した。
「2017年をレビューし、スーパーラグビーを統括するSANZARから、さらに競争力を高めてほしいという要望もあり、どうすればサンウルブズはもっと強くなれるか、そして、もともとサンウルブズができた経緯である日本代表強化を考えたとき、ベストなソリューションを導き出したということです」
日本代表とサンウルブズを両方率いるという大役を引き受けた新HCは、次のように語った。
「まずは、前HCのフィロ・ティアティアに感謝したいと思います。
そして、私は今、再びスーパーラグビーの舞台に戻ってこられたことに興奮しています。日本に来る前までの15年間、私はニュージーランドでコーチをしていました。スーパーラグビーでは100ゲーム以上、7シーズンにわたってチームを率いました。次はスーパーラグビー8シーズン目になります。
昨シーズンから学んだことは、日本の選手へのサポートの必要性です。リコンディショニング、フィジカルの準備、(国際舞台の)経験値の高い選手から学ぶことなどです。サンウルブズのメンバーは、日本代表選手がベースになりますが、それ以外の代表資格のない選手も選んでいくことになるでしょう」
日本代表の強化のため、サンウルブズで選手のレベルを上げて行くことは大切だが、同時にサンウルブズはプロのチームである。過去2シーズンで3勝にとどまる状況では、スーパーラグビーでの存在価値が薄れる。「強化」と「勝利」を同時に追うためには、選手個々の能力、チーム力を引き上げてくれる経験豊富な選手を加え、スーパーラグビーで優勝を狙うチームを作り上げなくてはいけない。その選手たちは現在選出中であり、この会見では明らかにされなかったが、渡瀬CEOは「10名以上」という希望を述べた。
会見では、2018年シーズンのメンバー入りが決まった5選手も発表された。稲垣啓太、エドワード・カーク、立川理道、田村優、山田章仁である。4人は3シーズン連続、山田は2シーズンぶりの復帰となる。
2017年はカークと共同キャプテンを務めた立川理道は、「スーパーラグビー参戦3年目になりますが、過去2年で積み上げてきたものをしっかり結果として出したいと思います。1年目はマーク・ハメットHC、2年目はフィロ・ティアティアHCが残してくれたものを結果にし、ファンの皆さん、これまでのHCに恩返ししたいと思っています」
報道陣からは、タフな生活が予想される兼務を引き受けた理由、経緯について、さまざまな質問が出た。
ジョセフHCは「自分の責任」と答え、2019年のラグビーワールドカップに向かって日本代表を短期間に強化するためにも、自らサンウルブズを率いるのがベストだと話した。
「選手たちもトップリーグ、サンウルブズ、日本代表でプレーしている。私もそこに参加することが必要だと思いました。多忙を極めると思いますが、最高を求めるためにはハードワークは付きものです。私は素朴な家庭で育ちました。その私がこの大役を務めることができる。光栄ですし、わくわくしています」
ジョセフHCは、強化について「コーチングの一貫性が必要で、特効薬はない」と話し、チームカルチャーを作り、ゲームプランの落とし込みに取り組むと説明した。コーチングスタッフは、サンウルブズと日本代表で両方に関わるコーチが多くなるが、どちらか一方しか関わらないコーチもいる。選手選考では、日本代表候補選手、海外の代表チーム、スーパーラグビー経験者に加え、日本でプレーしているが、3年居住の資格を満たしていない選手も将来を見据えて加わる見込みだ。したがって、ゲームプランは日本代表と似通ったものになりつつ、どの選手がメンバーに入るかによって、違う部分も出てくる。
兼務については、ジョセフHCが日本代表HCに就任した昨シーズンから案は出ていたが、日本代表になったばかりの時期にスーパーラグビーも戦うのは負担が大きすぎるという判断だったという。
スーパーラグビーは移動が多く、それだけでも肉体的にタフな仕事だ。それでもジョセフHCは決心した。「私は、勝ちたいのです」。会見に同席した、立川理道、田村優、山田章仁も、来季の目標を問われて「勝ちたい」と述べた。参戦3年目となる2018シーズン、サンウルブズはどんな戦いを繰り広げ、ファンを楽しませてくれるのか。目標とする具体的な数字は明言されなかったが、コーチ、選手にこれまで以上の「覚悟」があることは間違いない。
photo ©JSRA
◆ジェイミー・ジョセフHC プロフィール
◆2018シーズンスコッド(5選手)