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Round17 シャークス戦 マッチレビュー

コラム7/16(土) 16:00

スーパーラグビーに日本チームとして初参戦したサンウルブズが、今季最後の試合に臨んだ。南アフリカ共和国の南部、インド洋に面したダーバンがその舞台だった。

サンウルブズは、負傷の堀江翔太キャプテンに続いて、ここまでチームを牽引してきたCTB立川理道もコンディション不良で欠場。SO田村優がキャプテンとしてチームの先頭に立った。対するシャークスは日本のパナソニックワイルドナイツでも活躍したJP・ピーターセンがキャプテンを務めた。勝てばプレーオフに進出できるとあって、シャークスは立ち上がりから激しく前に出てきた。

パワフルなFW陣が小刻みな前進し、開始4分に先制トライ。3分後には、ハーフウェイエライン付近のスクラムで圧力をかけてサンウルブズFWを釘付けにし、右オープン展開でブラインドサイドのWTBルワジ・ンヴォヴォのライン参加からやすやすと2つ目のトライを奪う。このあたりのサンウルブズは、タックルの姿勢がやや高く、簡単に前進を許していた。このままでは大差になると誰もが思ったはずだが、FL安藤泰洋が倒した相手からボールを奪い、CTBパエア ミフィポセチ、WTB山下一が短いパスをつないでゲインするなど盛り返し、14分にはラインアウトのサインプレーでSH茂野海人がトライ。田村のゴールも決まって、7-14とする。

この後、相手陣深い地点で防御背後へキックしたところを切り返され、一気に繋がれてピーターセンにトライを奪われたが、サンウルブズはあきらめなかった。ボールをキープしながら連続攻撃を仕掛け、37分、PKからSH茂野が速攻を仕掛けてフラットなパスに走り込んだパエアがトライして、14-21に迫る。続く39分には、ゴール前のラインアウトからFW陣がしつこく縦突進を繰り返し、最後はHO木津武士がタックルを受けながら身をひるがえしてゴールライン上へボールを運んだ。グラウンディングはLOファアティンガ・レマル。ゴールは惜しくも決まらず、19-21として前半を終了した。

勝機をつかんだサンウルブズだが、後半早々、シャークスの大型CTBアンドレエスターハイ・エスターハイゼンのトライで突き放される。このトライに代表されるように、サンウルブズは、キックカウンターやミスボールを拾われたところから一気にトライを奪われることが多かった。スクラム、ラインアウトは安定し、相手のモールも止めきり、パエアを軸に何度もディフェンスを破るなど局面を切り取れば健闘できていただけに簡単な失点が悔やまれる。

この後もサンウルブズは思い切りのよい攻め、何度もパワフルなタックルに跳ね返されながらも飽くなき突進を続けた。その姿に胸を熱くしたファンは多かっただろう。後半20分には、田村の約40mのPGで22-28。1トライ1ゴールで逆転可能な点差に詰める。しかし、残り10分を切ったところで、攻め込んだボールをミスでこぼし、一気のカウンターアタックでSOガース・エイプリルに奪われ突き放された。最後はパエアが1トライ返したが、29-40で届かなかった。「ここ2試合、トライがとれていなかったので、そこは嬉しい。しかし、結果につながらなかったのは残念。相手が疲れているのが分かったのに、後半の頭でこちらがつまずいたのは経験の差だと思う」(田村優)。

次々に主力が怪我などで戦線離脱する中で、最後まで戦い抜いた選手達はかけがえのない経験を積んだ。後半10分、WTB児玉健太郎が笹倉康誉に代わってスーパーラグビーデビューを果たし、若いLO小瀧尚弘、WTB山下一ら若手も激しいプレッシャーの中でプレーする経験をした。ポジティブな面をあげればキリがない。一方で、この日もタックルミスが多く、組織として鍛え込まれていない印象はぬぐえなかった。来季は、抜群の攻撃力を誇るニュージーランドカンファレンスとも戦わなくてはいけない。これは運営側の問題だが、来季に向かっては国内シーズンと並行してスーパーラグビーへの準備も怠らず、組織力を向上させて臨まなくてはいけないだろう。

©JSRA photo by H.Nagaoka

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