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Round7 ストーマーズ戦マッチレビュー

コラム4/9(土) 13:05

スーパーラグビー上位陣の実力を痛感

サンウルブズにとっては、スーパーラグビー上位陣の実力を痛感する戦いになった。日本時間の4月8日深夜、南アフリカのケープタウンで行われたスーパーラグビー2016第7節「ストーマーズ対サンウルブズ」は、ホームのストーマーズが立ち上がりから凄まじい勢いで連続攻撃を仕掛けた。5連敗中とはいえ、粘り強いディフェンスで拮抗した試合をしてきたサンウルブズも、この勢いを止められず、11分、17分、23分と立て続けにトライされてしまう。この時点で、スコアは、20-0。その直後のキックオフが試合の趨勢を決定づける。サンウルブズが深く蹴り込んだボールを、ストーマーズのNO8スカルク・バーガーがつなぎ、やわらかなパスを右方向に送ると、FBチェスリン・コルビが持ち前の爆発的スピードで走り込み、一気にサンウルブズ陣へ。最後は、CTBジュアン・デヨーンが左タッチライン沿いを駆け抜けて、4本目のトライをあげた。

一方的になる流れを食い止めたのは、サンウルブズWTBヴィリアミ・ロロヘアのカウンターアタックだった。相手キックをキャッチすると、自陣から思い切って勝負し、タックルを2つ、3つとかわしながら前に出る。サポートしたFLエドワード・カークがさらにゴールに迫り、最後は、SO田村優、CTBパエア ミフィポセチがパスをつないで、FBフィルヨーンがトライ。27-5とする。その後もストーマーズの怒涛のアタックは続いたが、WTB山田章仁が値千金のインターセプトで逆にチャンスを作るなど、追加点は許さずに前半が終了した。

後半の入りは、サンウルブズがテンポよく攻撃する。ディフェンスラインに接近するフラットなパスで、この日、インサイドCTBに入ったデレック・カーペンターが抜け出すなど、ボールをキープして徐々に前進し、5分、SH矢富がラックサイドをすり抜けてトライをあげ、27-12とした。その後、ストーマーズは、近鉄ライナーズで活躍したCTBダミアン・デアリエンディ、FLラインハルト・エルスタットなど人気選手が投入され、2万人超の観客席もヒートアップ。後半11分には、この日、再三ボールを持って突進したHOシャボンガ・ントゥベニがサンウルブズの防御を崩し、22歳のFLシクンブゾ・ノーチェがトライ。サンウルブズは、その直後にもトライを奪われ、41-12と引き離されてしまう。

後半開始早々、堀江翔太キャプテンと交代したHO木津武士、WTB山田章仁に代わって出場の笹倉康誉、そして、14分に投入されたSH日和佐篤、LO真壁伸弥、FL細田佳也、PR垣永真之介らが、チームの勢いを引き出そうとアグレッシブにプレーし、後半なかばには、16フェイズを超える連続攻撃でストーマーズのペナルティを誘い、なおも攻撃。26分、フィルヨーンのトライで41-19としたが、反撃はここまで。31分、LOティモシー・ボンドが危険なタックルでレッドカードを受け退場し、サンウルブズは残り時間を14人で戦うことになった。韓国出身のPR具智元(ぐ じうぉん)がスーパーラグビーデビューを果たし、個々には好プレーも多く見られただけに、相手に簡単にボールを渡す反則、キックミスらが残念な内容だった。試合後のスタッツでは、サンウルブズのボール保持時間は60%、反則数、ターンオーバー数、ディフェンスを破った回数、ミスタックル数なども拮抗しており、圧倒された感があるのは、決定力の違い、スクラムで圧力を受けたこと、ストーマーズの規律正しいディフェンスが要因かもしれない。攻守にわたって組織力というよりは、個々人で戦っている感が強く、まだチームになりきれていない印象もある。

「後半、立て直そうとしたのですが、立て直せませんでした。次も試合があるので、いま、何をしなければいけないのか、しっかり話し合いたい。スクラムについては、耐えられるところもあって、ステップアップしていると思います」(堀江翔太キャプテン)。次節は、南アフリカツアー3連戦の最後、ブルームフォンティンに移動してチーターズと戦う。

©JSRA photo by H.Nagaoka

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