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Round5 ブルズ戦マッチレビュー

コラム3/27(日) 18:00

惜しい試合が続くサンウルブズが、3月26日、シンガポールで過去3回の優勝を誇るブルズ(南アフリカ)を迎え撃った。

先制したのはサンウルブズだった。前半1分、FBリアン・フィルヨーンが防御背後に蹴ったボールを今季初出場のWTBヴィリアミ・ロロヘアが追い、ブルズのミスを誘って、FLアンドリュー・デュルタロがトライ。その後は互いにPGを決めあって、10-3とリードする。ブルズの攻撃はシンプルだった。スクラムで圧力をかけ、ハイパントを多用してなだれ込んでくる。20分、ゴール前に攻め込まれたところで、初先発のNO8トーマス・レオナルディがタックル後に倒れたまま手を使って攻撃を寸断したとして、シンビン(10分間の一時退場)となる。

14人になったサンウルブズは、26分、モールを押し込まれて、HOアドリアーン・ストラウスにトライを奪われ、10-16と逆転を許す。その後はモールの攻撃を2度止めきるなど、持ち前の粘り強さを発揮したが、前半は6点のビハインドを背負ったまま終えた。スクラム、モールで圧力を受け、14人の時間帯もあったなかで、よく耐えたというところか。

後半の立ち上がりは、ブルズがラインアウトからCTBを走り込ませるなど、パスでボールをつなぎながら猛攻を仕掛けてきた。ここでもサンウルブズは懸命のディフェンスで耐える。しかし、後半6分、ゴールラインを背負ったピンチのラインアウトからFLルーロフ・スミスにトライを奪われ、10-23と突き放された。

11分、SOトゥシ・ピシがPGを決めて13-23とし、スコア上は競り合っていたが、12分の時点で、ペナルティはサンウルブズが12個、ブルズは3個。反則数の差は歴然としていた。その直後、サンウルブズが見せ場を作る。自陣22mライン上のラックから、SH茂野海人が判断良く左サイドにボールを出すと、HO堀江翔太からボールはWTB山田章仁へ。山田は左タッチライン沿いを抜け出すと、内側にサポートした茂野にボールを返し、茂野、ピシ、山田とボールが渡り独走、山田はゴールライン直前でタックルを受けたが、体勢を低くしてこれを弾き飛ばすと、左コーナーに飛び込んだ。熱狂するスタジアム。以前、「タックラーが来たときは自分自身のリアクションを信じて反応します」と言っていた通り、なかば本能的に反応したようなトライだった。

ピシが角度のあるゴールを決め、20-23の3点差。観客席は俄然盛り上がった。20分には、FL細田佳也の低いタックルから反則を誘い、約55mのPGをFBフィルヨーンが狙う場面があったが、ここは惜しくもポストにボールが当たって不成功。やや動きの鈍ったブルズを攻め立てるサンウルブズだったが、26分、ラインアウトから攻め込まれ、ゴールラインを背負ったスクラムからWTBジャンバ・ウレンゴにトライを奪われ、20-30とされる。このトライは、映像判定となったが、ゴールポストのパッドと地面に同時にボールをつけるとトライになるというルールが認められてのトライだった。

その2分後には、交代出場のNO8エドワード・カークがチームのペナルティの繰り返しによってシンビン(10分間の一時退場)となる。さらに苦しくなったが、サンウルブズは交代出場のSH矢富勇毅がチームの勢いを引き出し、終了間際に攻め込むと、試合終了を告げるホーンが鳴ったあとの相手ペナルティからタッチキック。相手陣22mライン内でのラインアウトを得る。これは今年のスーパーラグビーで採用されている試験的ルール(フルタイムの試合時間が終了しているときのペナルティーキックでも、タッチにボールを蹴り出してラインアウトを行ってよい)を利用してのタッチキックだった。

ここでサンウルブズはとっておきのサインプレーを使う。ラインアウトの前後で2つのユニットを作り、相手がディフェンスについたところで、後方でボールをキャッチしたLOリアキ・モリがその前のスペースにボールをパス。勢いよく走り込んだ矢富がそのままインゴールへ駆け込んだ。勝利はならなかったが、27-30とし、7点差以内の負けに与えられるボーナス点「1」を獲得する価値あるトライだった。「クロスゲームを勝ちきることができずに悔しい思いをしていますが、次のゲームで絶対に勝つという気持ちは持っていきたい」と堀江翔太キャプテンは悔しそうにコメントした。

前半からFW戦で圧力を受け、反則が多くなるなど課題は多いが、勤勉に走り続け、最後まであきらめない粘り強さは、サンウルブズの特徴になりつつある。トライゲッターの山田章仁は、毎試合見せ場を作り、交代出場の真壁伸弥、矢富勇毅らもチームの勢いを引き出すプレーをしていた。次週からは南アフリカツアーでの3連戦になるが、ステップアップは確かだ。応援し続けてくれるファンのためにも、そろそろ白星が欲しい。

©JSRA photo by H.Nagaoka

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