スーパーラグビー2019 ROUND 18 vs ジャガーズ text by 村上晃一
コラム6/16(日) 01:00
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの今季最終戦は、6月14日(日本時間6月15日、7:10)、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われた。南アフリカ(SA)カンファレンスでの1位通過を決めているジャガーズは、前節から13名の先発メンバーを変更してこの試合に臨んだ。対するサンウルブズは、試合直前に先発予定だったFL長谷川崚太から ダン・プライアーに代わる変更があったが、そのダン・プライアーを先頭に一丸となってジャガーズに牙をむいた。
サンウルブズSOヘイデン・パーカーのキックオフで試合開始。ジャガーズの蹴り返したボールをキープし、サンウルブズは約2分攻め続けた。しかし、ラックに参加する際にバインドせず、危険なショルダーチャージを行ったという反則で地域を戻される。タックルの際のオフサイド、モールのコラプシングの反則が続いた後の前半11分、ジャガーズのWTBサンティアゴ・カレーラスにトライを奪われる。粘っていたディフェンス網がついに決壊、タックルミスが起きての失点だった。
前半14分にはHOネイサン・ベラの好タックルからNO8ベン・ガンターがターンオーバーを勝ち取るなど、ディフェンスでも抵抗し、18分、自陣からWTBセミシ・マシレワが抜け出し、相手陣22m内へ攻め込む。トライチャンスだったが、SOパーカーのキックパスが短く相手にボールを渡してしまう。その直後にはガンターが二度目のジャッカルでボール奪取。この日のサンウルブズはミス、反則の後に好プレーが出て、すぐにまたミス、反則で攻撃が途切れるというパターンの繰り返し。一貫性のあるプレーができなかった。
前半28分、サンウルブズがようやくトライをあげる。中盤のディフェンスでプレッシャーをかけ、相手のミスボールをPRコナン・オドネルがキャッチしてWTBゲラード・ファンデンヒーファーにパス。ファンデンヒーファーは右タッチライン際を快走し、自ら蹴り上げたボールを再び確保して右コーナーに躍りこんだ。33分には、パスをインターセプトされてトライされたが、37分、FL松橋周平のワンハンドのパスを受けたWTBマシレワが左中間にトライ。パーカーのゴールは決まらなかったものの、10-14と差を詰める。
しかし、前半終了間際のピンチにマシレワが相手のパスを叩き落としたとして、ジャガーズにペナルティートライが与えられる。スコアは、10-21。マシレワは「故意のノックオン」でシンビン(10分間の一時退場)となり、サンウルブズは後半最初の10分を14名で戦うことになった。過去に何度も見たことのあるシーンであり、課題は修正されないまま最終節でもサンウルブズを窮地に追い込むことになった。
後半開始早々にモールサイドを突破され、ジャガーズHOフリアン・モントヤにトライされると、後半7分、不測の事態が起こる。負傷退場のベラに代わって交代出場したHOジャバ・ブレグバゼも負傷し、HOの専門職が不在となったのだ。これによって、アンコンテストスクラム(押し合わないスクラム)が命じられ、アンコンテストスクラムの原因になったチームが一名退出させなくてはいけないルールによって、サンウルブズは13名での戦いを余儀なくされた。一名の退出はアンコンテストスクラムを戦術的に利用しないように作られたルールなのだが、サンウルブズにそんな意図があるはずもなく、不運が重なっての窮地で、組織的に整った攻めができなくなってしまった。
ラインアウトは、PR浅原拓真が急きょスロワーの代役を務め、CTBジェイソン・エメリー、SO山沢拓也、SH内田啓介、FL長谷川崚太、LO大戸裕矢らを次々に投入。マシレワも戻って14人で攻めたがトライを取り切れず、最後は疲れもあってディフェンスが甘くなり、CTBファン・クルス・マリアらに次々にトライを許した。後半17分、PR三浦昌悟がスーパーラグビーデビューを飾ったが、アンコンテストスクラムでの出場という稀な初戦となった。最終スコアは、11-52。サンウルブズは、2勝14敗で2019年の戦いを終えた。
ゲームキャプテンを務めたダン・プライアーは次のようにコメントした。「13人になってしまったところから、非常に厳しい試合展開となりました。努力しましたがこのような結果になってしまいました。ファンの皆さんには感謝の想いでいっぱいです。皆さんが応援をし続けてくれたおかげで、我々は毎週フィールドに立つことができました。来季はもっと熱い戦い、興奮を届けたいと思いますし、選手たちも、ファンの皆さんと来年も会えることを楽しみにしています。心からありがとうと伝えたいです」
ジャガーズは、総合2位でプレーオフに進出。勝ち進んだ場合は準決勝までホームで戦える。スーパーラグビーでの優勝、その先にラグビーワールドカップでのアルゼンチン代表の優勝を見据える。ジャガーズの躍進は、明快な目標を持った継続強化が実を結んだものだ。強化の中での位置づけについて、サンウルブズも学ばなくてはならないだろう。
サンウルブズSOヘイデン・パーカーのキックオフで試合開始。ジャガーズの蹴り返したボールをキープし、サンウルブズは約2分攻め続けた。しかし、ラックに参加する際にバインドせず、危険なショルダーチャージを行ったという反則で地域を戻される。タックルの際のオフサイド、モールのコラプシングの反則が続いた後の前半11分、ジャガーズのWTBサンティアゴ・カレーラスにトライを奪われる。粘っていたディフェンス網がついに決壊、タックルミスが起きての失点だった。
前半14分にはHOネイサン・ベラの好タックルからNO8ベン・ガンターがターンオーバーを勝ち取るなど、ディフェンスでも抵抗し、18分、自陣からWTBセミシ・マシレワが抜け出し、相手陣22m内へ攻め込む。トライチャンスだったが、SOパーカーのキックパスが短く相手にボールを渡してしまう。その直後にはガンターが二度目のジャッカルでボール奪取。この日のサンウルブズはミス、反則の後に好プレーが出て、すぐにまたミス、反則で攻撃が途切れるというパターンの繰り返し。一貫性のあるプレーができなかった。
前半28分、サンウルブズがようやくトライをあげる。中盤のディフェンスでプレッシャーをかけ、相手のミスボールをPRコナン・オドネルがキャッチしてWTBゲラード・ファンデンヒーファーにパス。ファンデンヒーファーは右タッチライン際を快走し、自ら蹴り上げたボールを再び確保して右コーナーに躍りこんだ。33分には、パスをインターセプトされてトライされたが、37分、FL松橋周平のワンハンドのパスを受けたWTBマシレワが左中間にトライ。パーカーのゴールは決まらなかったものの、10-14と差を詰める。
しかし、前半終了間際のピンチにマシレワが相手のパスを叩き落としたとして、ジャガーズにペナルティートライが与えられる。スコアは、10-21。マシレワは「故意のノックオン」でシンビン(10分間の一時退場)となり、サンウルブズは後半最初の10分を14名で戦うことになった。過去に何度も見たことのあるシーンであり、課題は修正されないまま最終節でもサンウルブズを窮地に追い込むことになった。
後半開始早々にモールサイドを突破され、ジャガーズHOフリアン・モントヤにトライされると、後半7分、不測の事態が起こる。負傷退場のベラに代わって交代出場したHOジャバ・ブレグバゼも負傷し、HOの専門職が不在となったのだ。これによって、アンコンテストスクラム(押し合わないスクラム)が命じられ、アンコンテストスクラムの原因になったチームが一名退出させなくてはいけないルールによって、サンウルブズは13名での戦いを余儀なくされた。一名の退出はアンコンテストスクラムを戦術的に利用しないように作られたルールなのだが、サンウルブズにそんな意図があるはずもなく、不運が重なっての窮地で、組織的に整った攻めができなくなってしまった。
ラインアウトは、PR浅原拓真が急きょスロワーの代役を務め、CTBジェイソン・エメリー、SO山沢拓也、SH内田啓介、FL長谷川崚太、LO大戸裕矢らを次々に投入。マシレワも戻って14人で攻めたがトライを取り切れず、最後は疲れもあってディフェンスが甘くなり、CTBファン・クルス・マリアらに次々にトライを許した。後半17分、PR三浦昌悟がスーパーラグビーデビューを飾ったが、アンコンテストスクラムでの出場という稀な初戦となった。最終スコアは、11-52。サンウルブズは、2勝14敗で2019年の戦いを終えた。
ゲームキャプテンを務めたダン・プライアーは次のようにコメントした。「13人になってしまったところから、非常に厳しい試合展開となりました。努力しましたがこのような結果になってしまいました。ファンの皆さんには感謝の想いでいっぱいです。皆さんが応援をし続けてくれたおかげで、我々は毎週フィールドに立つことができました。来季はもっと熱い戦い、興奮を届けたいと思いますし、選手たちも、ファンの皆さんと来年も会えることを楽しみにしています。心からありがとうと伝えたいです」
ジャガーズは、総合2位でプレーオフに進出。勝ち進んだ場合は準決勝までホームで戦える。スーパーラグビーでの優勝、その先にラグビーワールドカップでのアルゼンチン代表の優勝を見据える。ジャガーズの躍進は、明快な目標を持った継続強化が実を結んだものだ。強化の中での位置づけについて、サンウルブズも学ばなくてはならないだろう。