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マッチレビュー 2018 ROUND4 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs. シャークス

コラム3/11(日) 14:33

©JSRA Photo by Justin Fuchs /Gallo Images /Getty Images for Sunwolves

ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの今季3試合目は、3月10日(現地時間15:05、日本時間22:05キックオフ)、南アフリカ共和国ダーバンのグロースポイント・キングス・パークで行われた。連敗のあとのアウェイ戦は、汗の滴る蒸し暑さの中でのタフな戦いとなった。


立ち上がりからサンウルブズは、LO姫野和樹が相手キックをチャージするなど素早く出るディフェンスでプレッシャーをかけた。しかし、開始2分、シャークスSOロバート・デュプレアにPGを決められ、9分には数回攻守が入れ替わったあと、この日大活躍のHOアッカー・ファンデルメルヴァに突破され、最後は、WTBマカゾレ・マピンピにトライを奪われる。その後は連続攻撃からシャークス陣に攻め込み、CTBシオネ・テアウパがキックチャージからトライしたかと思われたが、TMO(映像判定)でノックオンの判定。続く15分には、自陣からCTBマイケル・リトルが抜け出し、サポートしたWTBウィリアム・トゥポウがゴールに迫り、NO8ヴィリー・ブリッツがインゴールにボールを持ち込むも、ディフェンダーに阻まれて押さえられず。その後も何度も攻め込んだがトライには至らず、25分、SO立川理道のPGでようやく3-10とする。


スクラムはシャークスに押されることもあったが、逆に押し込むシーンもあり互角。ラインアウトは205㎝のLOルアン・ボタはじめ、長身選手の揃うシャークス相手に苦しんだが、レベルズ戦よりは改善され、11本中9本を確保。なんとか攻撃につなげた。アタックでもトライチャンスを作るのだが取り切れず、逆に29分にファンデルメルヴァ、36分にNO8ルババロ・ムテンプにトライを奪われる。ファンデルメルヴァに対してはタックルミスがあり、ムテンプのトライはスクラムからの一次攻撃で簡単に突破された。

 
前半を終えて、3-24。「我々は最初の20 分はシャークスにプレッシ ャーを与えることができていましたが、しとめきれず逆に追いかける展開となり、それがチームにプレッシャーを与えさらにミスに繋がる結果となりました」(ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ)。


©JSRA Photo by Justin Fuchs /Gallo Images /Getty Images for Sunwolves


後半序盤もサンウルブズが攻勢に出た。1分、SO立川がポスト下に飛び込んだが、これはその前のオブストラクション(タックラー妨害)があったとの判定でトライならず。再三の攻撃がようやく実ったのは5分、シャークスのゴール前ラインアウトからモールを押し込み、ディフェンスを中央に集めると、後半登場のSH流大が思い切って右オープンにパス。FB松島幸太朗が2人のディフェンスダーを引き付け、WTBレメキ ロマノ ラヴァにボールを送り、右コーナーに飛び込んで8-24とした。
 

しかし、この日のサンウルブズは完全に流れをつかむことができない。直後のキックオフでは、LOグラント・ハッティングがキャッチするもボールを抱え込まれてターンオーバーを許す。何度もタックラーをはじきながら突進し、サンウルブズを勢いづけていたハッティングですら、少し体勢が悪くなれば、シャークスのパワフルなタックルにボールをコントロールすることができない。同じようなプレーでサンウルブズは何度もボールを失った。ボールを持ち込む姿勢など確認が必要だろう。結局、この後、WTBマピンピに左タッチライン際を走り抜けられてしまう。素早く前に出るディフェンスの頭上を越えるパスで走られたものだが、ディフェンス・システムの遂行、その中でのコミュニケーションには課題が残った。

 

15分にもシャークスFLジャック・フェルミューレンにディフェンスラインの乱れをつかれてトライを許し、19分に交代出場のFLヴィンピー・ファンデルヴァルトがトライを返したが、28分、35分と連続トライを許し、スコアは、15-50。今季最多失点となったが、「ネバーギブアップがサンウルブズの文化」(ヴィリー・ブリッツ)という言葉通り、自陣から攻め続け、38分、ラインアウトからのサインプレーでレメキが抜け出し、トゥポウが左コーナーにトライ。難しい角度のゴールも交代出場のSO中村亮土が成功させてノーサイドとなった。

 

2試合ぶりに先発した姫野和樹は「フィジカルの部分で食い込まれ、自分たちが受け身になってしまったところからどんどん後手にまわってしまいました。また、南アフリカの気候に対してもしっかりと対応ができていませんでした」とコメントした。公式サイトのスタッツ(統計数値)では、ボール保持時間はサンウルブズが56%と上回り、ボールを持って走った回数が、シャークスの「111」に対して「139」。進んだ距離は「493m」対「489m」、ディフェンスを破った回数も「25」対「23」と互角。しかし、ディフェンスを置き去りに抜け出した回数は「25」対「14」と差が出た。アタックに関して決定力の差は明らかだが、それよりも、サンウルブズにとってはディフェンスの修正が急務だ。
 

次戦は3月17日(現地時間17:15、日本時間18日0:15)。ヨハネスブルグで2年連続準優勝のライオンズと対戦する。
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