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スーパーラグビー2017 ROUND 3 チーターズ vs ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ
マッチレビュー

コラム3/13(月) 11:21
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズは、3月11日(日本時間12日)、スーパーラグビー2017ラウンド3 チーターズ戦に臨んだ。試合会場は、南アフリカ共和国内陸部、標高約1400mのブルームフォンテインのフリーステート・スタジアム。サンウルブズは、これまでの防御背後へのキック主体の先方から一転、チーターズに対してはボールを保持しながら攻め続けた。

先制したのは、サンウルブズ。SOヘイデン・クリップスが蹴り上げたキックオフのボールを福岡堅樹が競り合ってキャッチし、スーパーラグビー初先発のFL松橋周平がゲイン。そのポイントから出たボールを受けたFB江見翔太がディフェンダーを振り切ってインゴールに走り込んだ。開始27秒という早業トライだった。
「(スクラムは)本当にいい感触というのが第一印象」(山路秦生)という言葉通り、スクラムは安定し、序盤はCTBウィリアム・トゥポウが力強いタックルを連発して、チーターズの攻撃を寸断した。リアキ・モリ、ヘル ウヴェ、松橋らを軸にボールを前に運び、BKに展開する形でボールを動かしたが、チャンスをつかみながら追加点をあげられず、逆に15分、チーターズのHOトルステン・ファンヤースフェルトに密集の真ん中を突き破られてトライを奪われてしまう。スコアは、7-7と同点。

チーターズSOフレッド・ゼイリンガにPGを決められた直後の25分、サンウルブズは連続攻撃からSOヘイデン・クリップスがトライし、14-10と逆転する。しかし33分、スクラムで圧力を受け、ゼイリンガにPGを決められると、36分、チーターズボールのラインアウトからのサインプレーで、FLテボホ(オウパ)・モホジェにインゴールに走り込まれる。ディフェンスが相手1人に2人重なってしまうミスだった。前半を終えて、20-17と3点差を追う展開に。

後半に入ると、サンウルブズは積極的に選手交代を行い、後半9分、スーパーラグビー・デビューとなるHO坂手淳史を含めてFW第1列を総入れ替え。先発のSH内田啓介に代えて茂野海人を投入。攻撃のテンポアップを図る。しかし12分、チーターズCTBクリントン・スワートにラインアウトから抜け出されて簡単にトライを許し、突き放された。この日のサンウルブズは、粘り強い攻撃でトライを奪いながら、ディフェンスでは簡単に抜かれる場面が多かった。個々のタックルも含め、ディフェンス面では課題が残った。

その後は、福岡の3トライで、31-30と逆転。1つ目は連続攻撃の最後を福岡が締めたが、2つ目は本人が「もともとのサインプレーではなかったが、スペースが見えたので、しっかり反応できた」と、ラインアウトのロングスローで抜け出したリアキ・モリをサポートし、瞬時の加速でタックラーを振り切る見事なトライだった。
しかし65分、チームとしての反則の繰り返しでPR浅原拓真がシンビン(10分間の一時退場)となり、この間にトライを奪われ、そのまま逃げ切られた。

「悔しい気持ちしかありません。スクラムでいけるという感覚を持ちながら、自分たちのミスで浮かされてしまった部分があり、悔やんでも悔やみきれない気持ちです」(先発HO庭井祐輔)。「勝てなくて、申し訳ない」(先発PR山路泰生)など、選手からは悔いの言葉が多く聞かれたが、「試合には負けてしまいましたが、チームが毎週成長していることを証明できた」と、フィロ・ティアティア ヘッドコーチは、前向きにコメントした。
2トライの福岡は冷静にチーム状況を語った。「そう簡単には勝たせてもらえないのがスーパーラグビーのレベルの高さ。ミスの部分、トライを取った後のディフェンスの部分、自陣からの脱出の部分、突き詰めなければいけない細かいところがまだまだあります」。

この日も、庭井祐輔、山路泰生、ヘル ウヴェ、坂手淳史、小倉順平がスーパーラグビー・デビューを果たし、このレベルでプレーする意識を高めているのは日本ラグビーにとってもポジティブな要素だろう。マンオブザマッチは、サンウルブズのリアキ・モリ。チームNO.1の13回のボールキャリーで攻撃の起点となった。最後はミスもあったが、ノーサイド後に座り込む姿が慣れない高地でのタフな試合を物語っていた。
また、サンウルブズは今季初めて、7点差以内の敗戦に与えられるボーナスポイントを獲得している。

試合詳細
写真:マンオブザマッチに選ばれたリアキ・モリのアタック
©JSRA photo by K.Demura
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