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スーパーラグビー2017 ROUND 1 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs ハリケーンズ
マッチレビュー

コラム2/27(月) 11:22
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズのスーパーラグビー2年目は、かつてない大がかりなオープニングセレモニーから始まった。サンウルブズのオフィシャルサポーターであり、サンウルブズの2017シーズンの公式テーマソング「Brave It Out」を提供する「MAN WITH A MISSION」のパフォーマンスである。スコアボード側のインゴールでは、約800名のファンの皆さんが、狼バンドの音楽にスタンディングで盛り上がった。

この日の観客は、17,533人。これは昨年、秩父宮ラグビー場で行われたサンウルブズの5試合のほぼ平均の数字だった。快晴、気温10度、緑が輝くピッチで、午後1時15分、サンウルブズSO田村熙のキックオフで試合は始まった。スーパーラグビー初体験の選手がリザーブも含めた23名中12名というサンウルブズは、立ち上がりからチャレンジングな姿勢で戦った。SO田村を軸に防御背後へのキックを多用し、激しく前に出てくるハリケーンズの防御を揺さぶりにかかる。

しかし、ハリケーンズは、前半5分、サンウルブズ陣深く攻め入ると、密集戦の背後からオールブラックスのSHでもあるティージェイ・ペレナラが短いキックを蹴り、これを確保すると、こちらもオールブラックスのFLアーディー・サヴェアが左中間にトライ。あっさりと先制する。2分後、WTBヴィンス・アソが右タッチライン際で自らのショートパントをキャッチして2つ目のトライ。さらに3分後、アーディー・サヴェアが2つ目のトライ、そして13分、ハリケーンズはモールからHOリッキー・リッチデリがトライし、瞬く間に0-24と点差を広げた。

サンウルブズも15分、ようやくチャンスをつかみ、ゴール前でモールを押し込んだがトライは獲りきれず。逆に20分、ハリケーンズはペレナラがトライを追加、27分には、WTBジュリアン・サヴェアが自陣から約60mを独走するトライで、0-38と突き放す。サンウルブズがようやくトライをあげたのは、33分だった。FLマルジーン・イラウアの突進でゴールラインに迫ると、一気に左タッチライン際までパスをつなぎ、WTB福岡堅樹が左コーナーに迫ってタックルされながら内側にボールを残す。FBリアン・フィルヨーンがこれを拾ってトライ。観客席を大いに沸かせた。結局、前半は5-45で終わった。

後半に入ってもハリケーンズの攻勢が続いたが、FL金正奎、SH茂野海人、HO日野剛志、CTB山中亮平、WTB江見翔太ら交代選手がスピーディーなプレーを見せて流れが変わり始める。
24分にはハリケーンズのモールを好ディフェンスで止め、スクラムを押し込み、WTB中鶴隆彰がジュリアン・サヴェアのタックルを外して大きく前進するなど、サンウルブズのいいプレーが出始める。そして29分、茂野のテンポのいいパス回しから金がトライ。37分には、この日、何度も力強い突進を披露していたNO8ヴィリー・ブリッツが茂野のパスに走り込んで、17-83。後半の序盤はインターセプトなどで失点が続いたが、最後の20分は失点もなく、最後まであきらめずに戦うサンウルブズのカルチャーを表現してのノーサイドとなった。

「後半、サンウルブズの良さを出すことができました。応援してくださったファンの皆さんに感謝します」。キャプテンを務めたエドワード・カークは、ファンの皆さんへの感謝を忘れなかった。HO堀江翔太は「負けたのは残念ですが、得るものも多かったと思います。マイナスの部分もプラスに変えることはできます。皆さん、ともに戦っていきましょう」と話した。
開幕戦は昨年の王者に、世界最強リーグのレベルを思い知らされる結果となったが、1試合ずつ強くなっていくしかない。 

サンウルブズは、3月4日(土)、シンガポールで南アフリカのキングスと対戦する。

写真:ヴィリー・ブリッツのアタック
©JSRA photo by H.Nagaoka
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