ヒトコム サンウルブズ公式サイトヒトコム サンウルブズ公式サイト

<マッチレビュー>
スーパーラグビー2019 ROUND 8 vs レベルズ text by 村上晃一

チーム4/7(日) 11:15
今季初の連勝を狙うヒト・コミュニケーションズ サンウルブズは、4月6日、オーストラリアのメルボルンでオーストラリアカンファレンス首位のレベルズと戦った。試合は、サンウルブズSOヘイデン・パーカーのキックオフで始まった。

開始1分、サンウルブズは、ディフェンスラインのオフサイドでPKを与え、タッチキックで自陣深く攻め込まれる。長身揃いのレベルズはラインアウトからモールを組んだが、これはサンウルブズがしっかり止めた。3分、レベルズはゴール正面で得たPGチャンスを狙わずスクラムを選択。先制トライを狙ってきた。サンウルブズも簡単にはゴールラインを割らせなかったが、7分、SHウィル・ゲニアがゴールラインに向かって複数で走り込んできた選手を飛ばしてFBリース・ホッジにフラットなパスを送り、ホッジがインゴールに飛び込む。SOクウェイド・クーパーのゴールも決まって、0-7とされた。

前半9分、サンウルブズはレベルズのゴール前5mで得たラインアウトで、ボールをスチールされてしまう。この後の一連の攻撃の後、パーカーがPGを決めて、7-3としたが、この日のサンウルブズはラインアウトが安定せず、13本中6回ボールを失った。レベルズは11本のラインアウトをすべて確保。この差が明暗を分ける大きな要因になった。
 
前半16分、サンウルブズはハーフウェイライン付近のラインアウトからオープン攻撃を仕掛けるもノックオン。レベルズボールのスクラムとなり、ここからホッジに走られ、トライを奪われた。BKライン全体のスピードでタックルを振り切られる失トライで、スコアは、3-14。21分にもサンウルブズは相手陣深くのラインアウトを得るが、まっすぐボールが入らず、チャンスを逸した。25分、またしてもハーフウェイライン付近のラインアウトからのボールを出すところでミスが起こり、レベルズボールのスクラムとなる。このスクラムからクーパーが防御のいないスペースに絶妙のキック。SH茂野海人がよく戻って処理しようとしたが、FB山中亮平へのパス交換が上手くいかず、浮いたボールをレベルズCTBビル・ミークスにキャッチされてトライを奪われた。痛恨の失点でスコアは、3-21。レベルズはサンウルブズのミスを着実に得点に結びつけていた。

サンウルブズがようやくトライをあげたのは、前半31分のことだ。ゴールラインに迫った連続攻撃で最後は、茂野、CTBジェイソン・エメリー、パーカー、そして左タッチライン沿いにいたWTBセミシ・マシレワにボールが渡る。マシレワは目の前のタックラーを巧みなステップワークでかわし、左コーナーにトライ。笑顔で「エガちゃんポーズ」を決めて見せた。マシレワは、後半2分にもNO8ツイ ヘンドリックのパスを受けてトライをあげ、スーパーラグビーでも屈指の決定力を披露したが、これがサンウルブズ最後の得点となった。

それでも後半21分までは、15-28と2トライ、2ゴールで逆転できる差で食らいついたが21分、交代出場のCTBジョシュ・ティムが自陣ゴールラインの前でキックをチャージされてトライされると、28分、ハーフウェイライン付近のラインアウトからゲニアに一気に走り切られて突き放された。残り10分、最後の交代選手SO山沢拓也を投入し、フレッシュなメンバーで攻撃を仕掛けたがスコアすることはできなかった。

「ミスが多く、集中力を欠いたところからトライを取られる場面が多かったです。プレッシャーを受け、自分達のやりたいプランを実行する事ができず、失点につながってしまいました」。トニー・ブラウンヘッドコーチのコメントがすべてだろう。キャプテンを務めたFLダン・プライアーは「ラインアウトでかなりプレッシャーを受けました。いくつかコールを間違えてしまうという状況がありました。ケアレスミスもありました」と、成功率53.8%に終わったラインアウトについてコメントした。
 
スクラムは安定し、モールに対するディフェンスも向上した。シーズン序盤の課題を修正しつつあるが、ラインアウトは改善されない。成功率は15チーム中最下位。この修正は急務だろう。ブラウンヘッドコーチは「我々は次の試合に向けて100%改善していくという自信があります。来週は BYE WEEKですが、しっかり休みをとって、次戦で戦うハリケーンズ戦(4月19日、秩父宮ラグビー場)に向けて準備し、勝ちにいきたいと思います」と前向きに語った。

セミシ・マシレワは、前節の3トライに続いて2トライと好調を維持している。試合後、トライ後のポーズについて説明した。「先週のワラターズ戦の前に田中選手に映像で教えてもらいました。映像を見るまで私は知りませんでしたが、日本で非常に有名なコメディアンだと聞いています。スネイク(本人のニックネーム)のポーズだけではなく、1つ目のトライを決めた時はこのポーズを取り入れる事にしました」。 4月19日、26日の秩父宮ラグビー場でも、あのポーズを見せてもらいたいものだ。
CONTENTS
スローガン