野澤武史さんが試合STATSをゴリ解説!
基本編②~ACTION AREAS & CHALKBOARDほか~

ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの公式サイトには、選手のプロフィールやニュース、試合結果など、さまざまな記事が紹介されていますが、試合内容を数字で振り返ることができるスタッツ(統計数値)も詳しく紹介されています。専門的な領域に思われがちですが、基礎的な知識を持って見ると、より深く試合を楽しむことができます。
日本ラグビーフットボール協会リソースコーチで、テレビのラグビー解説でもお馴染みの野澤武史さんに簡単なスタッツの見方、楽しみ方を教えてもらいましょう。
基本編①~TEAM & PLAYER STATS~

(聞き手・文:村上晃一)

ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ STATSページ
「試合日程・結果」>各試合の「試合詳細」>「速報/STATS」


用語解説&注目ポイント

基本編①で解説した「TEAM STATS」「PLAYER STATS」のタブからさらに画面をスクロールすると、「ACTION AREAS」から始まる3つのタブが並んでいます。
こちらは、さらに試合を深く知るための数字です。
参考:ROUND7 ブルズ戦

ACTION AREAS


両チームがフィールド内のどの地域でプレーしているかを表しています。これで、地域的に押し込んでいるチーム、押し込まれているチームがわかります。
試合後は試合全体を通した数字が出ますが、リアルタイムで更新されているので、試合中はその時点での両チームの状況もわかります。たとえば、前半を終わったところで見て数字をチェック、試合終了後の数字と比較するのもおもしろいです。
画面の下のバーには「支配率」(ポゼッション)も出ていますので、ボールを保持していた割合もわかります。

近年では、ボール保持時間が短いほうが勝利に近づくと言われたりもしますが、本当でしょうか?
スーパーラグビーでは、勝利したチームは敗れたチームに比べ、ボール保持時間(画面下の「支配率」)が2.2%、総テリトリー(画面上の棒グラフ)が4.9%高くなっています。こと前半に限れば、ボール保持時間では5.7%、総テリトリーでは8.6%も勝ったチームが高いのです。やはりボールを持ち、敵陣でゲームを進めるというのはラグビーの定石であり、さらには前半を優位に戦うことがスーパーラグビーというリーグで勝ち続けるには重要な要素となっていると言えます。

MATCHDAY LIVE


まずは両チームの試合登録メンバーのリストが表示されます。
クリック(タップ)で選手を選択することができ、各選手のパス・タックル・タックルミスなどの細かな数字、交代時間などを簡単に見ることができます。


「PLAYER STATS」ではチーム全員の一覧表示ですが、こちらは選手別に「攻撃・守備」の両方の数字を確認できます。これは便利ですね。

CHALKBOARD


「チョークボード」の最初の画面はフィールドの図のみ。これだと使い方がわからないのですが、「イベント」という項目をクリック(タップ)すると、「ラインアウト」、「スクラム」などの項目が出てきます。


上図では、「ラインアウト」を選択してみました。
どの地域でラインアウトが発生したかがわかり、数字(スロワーの背番号)をタップするとその「ラインアウト」が成功だったかどうかが出てきます。相手陣深いところでラインアウトを得ていたか、あるいは自陣の攻め込まれたところでラインアウトを与えてしまっていたか、ということがわかります。

勝った試合と負けた試合を比較すると、わかりやすいですよ。
たとえば、敗れたROUND4のブルズ戦と、勝利したROUND7のブルズ戦を比較してみましょう。

<ROUND4 ブルズ戦「ラインアウト」>


<ROUND7 ブルズ戦「ラインアウト」>


サンウルブズがブルズに敗れたROUND4では、勝ったROUND7に比べ、自陣ゴールラインに近いラインアウトを多く与えています。ブルズは典型的なストラクチャチーム(セットピースから得点してくるチーム)。そのブルズ最大の得点機会である敵陣ラインアウトを与えてしまったことがわかります。
サンウルブズが勝利を収めたROUND7では、ブルズの敵陣ラインアウトが減少しています。ここから「相手の強みを消して勝ったんだな」ということがよくわかります。
 
ラックの位置からも、試合展開が見えてきます。下図はROUND7 ブルズ戦で「ラック」を選択した画面。


ブルズ戦の前半は中盤でもみ合っています。
しかし後半を選択してみると…

後半のサンウルブズは、ブルズ陣の22mライン内で何度もラックを作っています。逆にブルズは後半に入ると自陣でラックを多く形成する苦しいゲーム展開が続いたことがうかがえます。
こうして、勝敗のポイントを探しながら試合を振り返るのは楽しいですね。

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「基礎編①②」いかがでしたか?説明しきれなかった項目も選択してみて、どんなデータがあるかをぜひ見てください。試合後はもちろん、試合中にもリアルタイムで更新されていますから、時々スタッツをチェックしてみるのもオススメです。
「応用編」では、さらにマニアックなスタッツの見方を解説してもらいます。お楽しみに。
基礎編①
応用編
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野澤武史 Takeshi Nozawa
日本ラグビーフットボール協会リソースコーチ。
1979年4月24日生まれ、38歳。
慶応大学、神戸製鋼コベルコスティーラーズで活躍し、日本代表キャップ4。
現在はユース世代の指導を行いながら、テレビ解説や、新聞・雑誌ので執筆も行い、著書には『7人制ラグビー観戦術-セブンズの面白さ徹底研究』(ベースボールマガジン社)がある。グロービス経営大学院修了(MBA取得)。

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