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スーパーラグビー2017 ROUND 13 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs. シャークス
マッチレビュー

村上晃一2017.05.22

スーパーラグビー2017 ROUND 13 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs. シャークス<br>
マッチレビュー
スーパーラグビー2017 ラウンド13、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs. シャークスの試合は、5月20日、19時55分(現地時間)、シンガポール国立競技場にてキックオフされた。
この日は、昼間の気温が33度になり、空調設備のあるスタジアムとはいえ、軽いウォーミングアップの段階で選手たちは汗を滴らせていた。

先蹴りのサンウルブズはいきなり仕掛けた。SO田村優が地面を転がるキックで意表を突き、WTB福岡堅樹がこれをキャッチして前進する。その後ボールを奪われたが、直後のラインアウトからもBKがディフェンスラインを幻惑するサインプレーを使うなど、準備してきたプレーを次々に繰り出した。しかし、相手陣へ深く入った好プレーと思われたキックをタッチライン際から切り返され、FBルワジ・ンヴォヴォにトライを奪われてしまう。開始2分のことだった。

前半9分、HO堀江翔太が負傷退場するアクシデントがあったが、リザーブの日野剛志が穴を埋める。その後もサンウルブズは防御背後へのキックを使いながらディフェンスを崩そうとするのだが、シャークスの反応も良く、一進一退の攻防が続いた。
サンウルブズが最初のトライをあげたのは、18分のことだった。相手陣深く入ったラインアウトからの攻撃でシャークスが反則を犯すと、SH田中史朗が速攻を仕掛け、FL松橋周平、LO小瀧尚弘らがボールを前に運び、この日何度もラインブレイクを見せたCTB山中亮平がゴールラインに迫る。ここでできたラックから、SH田中がパスを出すと、タイミングよく走り込んできたHO日野が低い姿勢で左中間にトライをあげた。これで、7-7の同点。

この後はシャークスのフィジカルの強さが際立つ展開が続いた。ボール争奪戦で圧力をかけられ、スクラムで反則を取られ、PKからのタッチキックで自陣深くのラインアウトを与えてしまう。ここからのモールで失トライ。SOガース・エイプリルのプレースキックも正確で、7-14とされた。サンウルブズも再三攻め込むのだが、トライには至らず、逆に35分、自陣のPKから田中が速攻を仕掛けるもミスが出て、シャークスWTBシブシソ・ンコシに独走を許してトライを追加された。

シャークスのFW陣は、両LOが2m超、FW第3列も193cm以上が並ぶ巨漢軍団。個々のコンタクトの強さに、サンウルブズは押され気味になる。「強いのはわかっていたのに、高くタックルに入ってしまうなど、やるべきことができていなかった」(松島幸太朗)。

それでもサンウルブズは、後半11分、SH田中からラックサイドでパスを受けたFL松橋がトライをあげて14-21と7点差に迫り、ラインアウトのスチールやWTB福岡の懸命のカバーディフェンスなどで失点を防ぐ。SO小倉順平のPGで17-21に迫ると、なおも懸命のディフェンスでトライを許さず、シンガポールの試合で最多となる10,765人の観衆が声をからして後押しした。

1トライでも逆転できる点差で、試合は残り時間10分を切る。しかし、ここから集中力を発揮したのはシャークスだった。後半34分、FBルワジ・ンヴォヴォに2つ目のトライを奪われると、相手のミスボールを拾って切り返そうとしたパスをインターセプトされ、17-33とあっという間に引き離される。最後は、ンヴォヴォがこの日3トライ目(ハットトリック)を決め、さらに突き放された。

「我々はさらに成長しなければならないが、シャークスがすばらしいプレーをした」。フィロ・ティアティア ヘッドコーチは素直に相手を称えた。確かにこの日のシャークスは大型FWがフィジカル面の強さを前面に押し出して攻め、ラインアウトからのモールという手堅い攻めでトライを重ねた。1人1人が走り込んでくるスピードもあり、タックルをかわすランニングスキルもある。プレーオフを目指すチームらしく、地力のあるところを見せつけた。「何より良かったのは、3トライ以上引き離すボーナス点を獲得できたことだ」とロバート・デュプレア ヘッドコーチ。FLジャン=ルック、NO8ダニエルという双子の息子の活躍もあっての勝利を淡々と振り返った。シャークスは、この勝利で今季8勝1分3敗。勝ち点を「38」とし、プレーオフ進出に向けて大きく前進した。

今季初出場となったサンウルブズの立川理道キャプテンは、最後に突き放されたシーンを次のように振り返った。「後半の中盤の時間帯で自分たちのアタックがうまく行かず、エナジーを失ってしまって追い上げ態勢に入った時にミスを重ねてしまいました」。サンウルブズの攻撃の特色は手数少なくトライを獲りきることなのだが、シャークスの規律正しいディフェンスの前に、フェイズを重ねさせられて体力を消耗してしまったということだろう。

ニュージーランド・アルゼンチンのツアーで逞しくなったサンウルブズに期待感が高まったが、今度はシンプルなフィジカル・ラグビーに屈する結果となった。全身全霊をかけたタックルを繰り出しても、ほんの少しの連携の悪さで大幅ゲインを許し、自陣でのわずかなミス、反則が失点につながった。激しいコンタクトの連続に負傷者も続出。スーパーラグビーのレベルの高さを痛感するシンガポールの夜だった。

©Photo by Lionel Ng/Getty Images

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ROUND 14 5月27日(土)14:15/秩父宮
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs. チーターズ
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