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スーパーラグビー2017 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs キングズ
マッチレビュー

村上晃一2017.03.06

スーパーラグビー2017 ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs キングズ<br>
マッチレビュー
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズの第2戦は、3月4日、ホームであるシンガポール国立競技場に7,679人の観衆を集めて行われた。サンウルブズが迎え撃ったのは、昨年17位のキングズ(南アフリカ)。昨年は、28-33と5点差で敗れた相手である。なんとしても勝ちたい試合だった。

立ち上がり早々にキングズSOルイオネル・クロンニャに先制PGを許したが、その後は、SH田中史朗、SOヘイデン・クリップスを軸に簡単には蹴らずにボールをキープして防御を崩しにかかる。このあたりは防御背後へのキックを多用した開幕戦とは好対照だった。
9分には、CTBティモシー・ラファエレがラックサイドを抜け出し、自らのショートパントをインゴールまで追いかけたが、ここはトライに至らず。14分、再びファラエレの突進でキングズ陣深く攻め込んだが、マイボールだったはずのラックから相手側にボールがこぼれ、キングズの俊足WTBマルコム・ジェアーに独走を許してしまう。最後は交代出場のSHルディ・ファンローイエンにトライを奪われた。2度のトライチャンスをものにできなかった中での失トライは、最後までサンウルブズに重くのしかかることになった。

気温30度という暑さで汗をかいているせいか、互いにハンドリングエラーが多く、チャンスをものにできない。サンウルブズがトライを返したのは、前半21分、キングズ陣22mライン内の攻防で、FL金正奎が倒れた相手のボールをがっちりつかんでノット・リリース・ザ・ボールの反則を誘うと、SH田中がすかさず速攻を仕掛け、CTBラファエレが右中間に飛び込んだ。クリップスのゴールも決まって、7-10とする。しかし、30分にクリップスがPGを外した直後、キングズにラインアウトからのサインプレーでトライを奪われ、7-17で前半が終了した。

ハーフタイムのスタッツでは、ゲインライン(ボールが合った起点)を越えた回数が、サンウルブズの「31」に対し、キングズは「16」。何度も防御を崩しながらスコアに結び付けられない現状を表す数字だった。
後半も一進一退の攻防が続いた。互いにPGを決め合い、後半22分時点で、13-23の10点差。このあたりからサンウルブズに自陣での不用意な反則が増え始め、25分、ラインアウトのモールからトライを奪われてしまう。その後は何度も攻め込んだがゴールラインが遠く、35分になってWTB福岡堅樹が相手のパスをカットして40mを走りきってトライをあげ、18-30と迫った。逆転への希望が芽生えたが、直後のキックオフからの攻撃をターンオーバーされ、この日、何度も大幅ゲインされていたWTBマルコム・ジェアーにトライされて万事休す。試合終了間際に、交代出場のFBジェイミー‒ジェリー・タウランギのアクロバティックなパスでWTB中鶴隆彰がトライしたが届かなかった。

フィロ・ティアティアヘッドコーチは次のようにコメントした。
「キングズはチャンスを確実に得点に結びつけたが、私たちはパスすべきところでの判断ミス等もあり、チャンスをうまく得点に結びつけられなかった。試合を重ねるごとに向上すると思いますが、プレッシャーのもとで、正しい判断が下せる様になる必要があります」

その言葉通り、大事な場面でのハンドリングエラーやラックでボールをキープできないなど、もどかしいシーンは多かった。一方で、スクラムでは優位に立ち、先発したSH田中史朗が安定感あるボールさばきを見せ、FL金正奎、FB江見翔太の思い切ったプレーも光った。両WTB福岡堅樹、中鶴隆彰のスピードはスーパーラグビーのレベルでも十分に通用している。前向きな要素をさらに伸ばし、課題を修正していきたい。

試合詳細
写真:ティモシー・ラファエレのアタック
©JSRA photo by H.Nagaoka