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ソニー・ミュージックエンタテインメント プレゼンツ JAPAN RUGBY DREAM MATCH 2017
マッチレビュー

コラム2/20(月) 12:06
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズは、日本ラグビーの「希望」である。2月18日の北九州で改めて思った。「ミクニワールドスタジアム北九州」のオープニングマッチに選ばれたサンウルブズ対トップリーグオールスターズの一戦には、1万1577人の観衆が訪れた。僕は、J SPORTSのピッチレポーターを務めていたのだが、選手たちが戦うピッチと同じ高さで観客席を見上げながら、昨年以上に選手を見守る視線の温かさを感じた。

 北九州で生まれ育ったWTB山田章仁の先制トライ、CTBアンドレ・テイラーのトライの際のゴジラのポーズ。トップリーグオールスターズの選手たちは観客の笑顔を引き出した。攻守が次々に入れ替わってプレーが長く継続すると、途切れた瞬間に大きな拍手が沸き上がる。その時の観客席にも笑顔が広がっていた。いいプレーを見られた喜びだろう。

 そして、終盤には今季からサンウルブズに加わったSH田中史朗が貫録のゲームリードで流れを引き寄せ、自らのトライで勝負を決めた。最後にトップリーグオールスターズの攻撃を止め、試合を終わらせたのはエドワード・カークとともに共同キャプテンを務める立川理道だった。日本代表の中心選手でもある2人が仕事をして、1週間後の開幕戦に向かっての期待感をふくらませた。

 なぜ、サンウルブズの観客の視線は優しいのだろう。サンウルブズは、日本初のプロチームであり、日本代表とは少し違った性格を持っている。スーパーラグビーは「世界最高峰のプロリーグ」と称され、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンという2015年ラグビーワールドカップのベスト4の代表選手、および、代表予備軍がしのぎを削っている。

 そこに日本チームが加わるという「夢」が現実になったことの喜びが、観客の心を躍らせているのは確かだ。スーパーラグビーはプロの興行であり、運営側も選手もファンを楽しませるということを大切に考える。ファンサービスには多くの課題があるものの、そういった姿勢もファンが一緒にこのチームの文化を作っていこうとするモチベーションを高めている気がする。
 もう1つ。サンウルブズの最大の目的は日本代表強化であり、さまざまなチームから選手が参加している。どのトップリーグ、大学チームのファンも一緒になってサンウルブズをサポートし、その先にある日本代表の躍進を期待することができるのだ。

 日本代表戦には日本ラグビーを背負う責任感や、誇りがにじむが、サンウルブズには未来への希望があふれている。ファンの皆さんは、そこで戦う選手に未来を託して応援する。これまでの日本ラグビーになかった空気がサンウルブズ戦の観客席にある理由だろう。

 国代表同士のテストマッチのような緊張感ある観戦を愛する人には、騒がしく感じるかもしれないが、スーパーラグビーはもう少し気楽に楽しむ「プロリーグ」だ。試合前に会場に流れる音楽や、さまざまな演出に盛り上がり、アクロバティックなプレーに大歓声を上げる、そんな日本ラグビーの新たな応援スタイルを作るのもサンウルブズの役目だ。

 2月25日(土)、サンウルブズは今季の開幕戦を迎える。秩父宮ラグビー場にやって来るのは、昨年の覇者ハリケーンズだ。昨年の世界最優秀選手SOボーデン・バリット、世界中のHOが憧れるデイン・コールズほかオールブラックスの主力が揃う相手に、サンウルブズは挑む。最強チームへの挑戦を観客席で、テレビの前で多くの人に楽しんでもらいたい。

◆スーパーラグビー2017 南アフリカグループ ラウンド1
ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズ vs. ハリケーンズ
2月25日(土)13:15キックオフ/秩父宮ラグビー場
チケット好評発売中!!

写真:田中史朗のトライシーン
©JSRA photo by H.Nagaoka
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